大飯原発直下・破砕帯 「活断層の可能性」

アイリーン・美緒子・スミスさんから

以下、6月2日の福井新聞と朝日新聞の福井版の記事に関する要望書、そして東洋大学渡満久教授のコメントもHPアップしました。
そちらはこのサイトで見れます。

要望書
大飯原発3・4号の破砕帯、活断層3連動に関する 福井県と福井県原子力安全専門委員会への質問・要望書
http://www.greenaction-japan.org/
modules/wordpress/index.php?p=583

質問・要望書:大飯原発3・4号の破砕帯、活断層3連動に関する 福井県と福井県原子力安全専門委員会への質問・要望書

• F-6破砕帯が活断層である可能性について、十分な調査を行ってください。
• 活断層の3連動の評価について、「念のため」ではなく、実際に連動した場合の影響について、詳細な調査をおこなってください。
• これらの調査・評価が完了するまでは、大飯原発3・4号の再稼働を行わないでください。
(全部は下記URLで)
http://www.jca.apc.org/mihama/ooi/
fukuipref_senmoni_youbou120601.pdf



東洋大学渡満久教授のコメント:
http://www.greenaction-japan.org/modules/
wordpress/index.php?p=584

大飯原発3・4号の破砕帯、活断層3連動に関する 福井県と福井県原子力安全専門委員会への質問・要望書」 への東洋大学渡辺満久教授のコメント


2012年6月1日
グリーン・アクション 代表:アイリーン・美緒子・スミス 様
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 代表:小山英之 様


大飯原発3・4号の破砕帯、活断層3連動に関する
福井県と福井県原子力安全専門委員会への質問・要望書」
へのコメント

東洋大学社会学部教授 渡辺満久

お送りいただきました、上記「質問・要望書」を拝見し、重要なことが指摘されていると考えました。そこで、3・4号機設置申請書や安全委員会の資料などを自ら確認した上で、以下の2点に関してコメントいたします。また、最後に、私見も述べさせていただきます。

1.F-6破砕帯(断層)

提示された図2の「北西側壁面基底部スケッチ」を見る限り、以下の理由から、F-6が活断層である可能性を指摘いたします。まず、F-6を覆うとされている礫層が岩盤と同じだけ上下方向にずれているように見えることです。また、岩盤と礫層との境界部には、岩盤に挟み込まれている「シルト」が連続していることも、断層活動があったことを伺わせます。
なお、「南東側基底部スケッチ」においては、F-6とされている断層は礫層に覆われており、新しい時代の動きが無いようにも見えます。しかし、このF-6の走向はN18゜Eであり、地質図に示されたF-6の一般走向がN5゜W程度であることと調和していません。したがって、このスケッチでは、本当のF-6が見えていない可能性があります。
3・4号機の設置申請書を見ると、F-6などの破砕帯(断層)には「粘土」があると明記されています。古い破砕帯(断層)であれば固結していることが多いので、「粘土」があるということは、この破砕帯(断層)が最近に活動している可能性を示します。敦賀原子力発電所の敷地内にある破砕帯(断層)の活動性に関して、私はこの点を重視し安全性を問いかけてきました。本年4月に、保安院の調査により、敦賀原子力発電所内の破砕帯(断層)の一部が活断層であると報告され、私の指摘が現実のものとなりました。
以上を総合すれば、F-6破砕帯(断層)が活断層である可能性は否定できません。F-6破砕帯(断層)の海岸部への延長部では、「固結している」との記述もあります。しかし確認すべきことは、破砕帯(断層)の敷地内での活動性です。図1にも示されているように、大飯原子力発電所の敷地内には、F-6と同方向の破砕帯(断層)が複数存在しています。F-6破砕帯(断層)が活断層である可能性があるということは、他の破砕帯(断層)も同様の可能性があるということになります。周辺の大きな活断層(Fo-A断層、Fo-B断層、熊川断層)が動いた時には、これらが連動して動く可能性を否定できません。破砕帯(断層)の中には、原子炉直下に存在するものもあり、それらが動いた場合には深刻なダメージが発生することになります。大飯原子力発電所の安全性を確保するためには、ご指摘の通り、敷地内での破砕帯の活動性を確認することが非常に重要です。

2.小浜湾内の活断層

熊川断層の延長部で確認された構造(図3)は、典型的な活断層の構造であると思われます。報告書によると、ガスの存在で詳細は不明であるとの判断がされているように思われます。しかし、ガスのために、このように見事にずれた「みかけの構造」が検出されるという事例は、見たことがありません。また、たとえ、ガスの効果があるとしても、活断層であることを否定できるものではありません。図3のような構造をもつ場合、その活断層の延長が1~2km程度と短いとは考えられません。海岸部の反射法地震探査とボーリング調査結果をもとに、熊川断層は小浜湾内には連続しないと結論されているようです。しかし、活断層の存否を確認する場合に、このような調査方法が不適切であることは、我々が常に指摘していることです。熊川断層が小浜湾内に連続しないと断定することは困難であると考えます。
Fo-20断層では後期更新世以降の活動が認められないとのことですが、音波探査断面でそのようなことを断言することは困難です。たとえば、2007年能登半島地震を引き起こした海底活断層の一部には最近の動きが無いとされていましたが、それが誤りであったことは間違いありません。とくに、横ずれを主体とする動き方をしている活断層の場合、音波探査結果に基づいて最近の活動の存否を論ずることはできません。C-45.3G測線のデータをみると、Fo-20の延長部に活断層の存在を示す構造があるように見えます。このような観点から、「Fo-20断層は活断層ではない」と結論することは間違っていると判断いたします。
以上述べたことに基づけば、Fo-A断層・Fo-B断層と陸上の熊川断層とを結ぶように、海底活断層が小浜湾の中に連続している可能性があると考えられます。したがって、ご指摘の通り、連動性に関する再検討が必要であると考えます。

3.最後に

私は、原子力の利用に反対の立場にはありません。しかし、現状においては、原子力関連施設周辺の活断層評価は明らかに間違っており、過小評価が横行していることを指摘してきました。誤った評価によって、想定される地震動の大きさが小さく見積もられるとともに、活断層のずれによる被害も無視されていることに注意を呼び掛けてきました。
大飯原子力発電所周辺の活断層に関しては、上に述べた問題が検証されずに残っていることは間違いありません。F-6破砕帯(断層)が活断層ではないことが確認され、Fo-A~熊川断層が実際に連動することを想定しても耐震性が確保されていることが確認されたのであれば、再稼働には問題はないと思います。しかし、今の段階で再稼働を認めるのであれば、間接的な言い方ではなく、「安全性は確保されていないが、いろんな理由で再稼働させる」と明言されるべきだと思っています。




-----------------------
アイリーン・美緒子・スミス
グリーン・アクション
*******************

2012年6月2日(土)福井新聞
大飯原発直下・破砕帯
「活断層の可能性」
東洋大教授 県に調査求める

関西電力大飯原発3、4号機の再稼働をめぐり、市民団体のグリーン・アクション(京都市)などが県に1日提出した質問・要望書類の中で、東洋大の渡辺満久教授(変動地形学)は同原発直下を通る破砕帯は「活断層である可能性は否定できない」と指摘。詳しく調査するよう求めた。
大飯原発敷地内の破砕帯について経済産業省原子力安全・保安院は2010年、周辺断層を含めた耐震安全性評価(バックチェック)の中間報告を受け、12万~13万年前以降に活動したものではないと判断し、問題はないとの認識を示している。
一方、市民団体は3号機直下の「F6」と呼ばれる破砕帯に関し、3、4号機を建設した際の設置申告書にある「幅0・5センチの粘土の付着した破砕帯と鏡肌を有する小岩片からなる」との表記に着目。渡辺教授に見解を求めていた。
渡辺教授は「粘土があるということは、破砕帯が最近に活動している可能性を示す」としている。
原子力の利用に反対の立場ではないとする渡辺教授は、大飯原発の再稼働について「今の段階で認めるのであれば『安全性は確保されていないが、いろんな理由で再稼働させる』と明言されるべき」としている。
------------------------------------------------
2012年6月2日(土)朝日新聞

大飯原発敷地内
「活断層確認を」
市民団体、県などに要請

関西電力大飯原発(おおい町)の敷地内を通る断層について、市民団体が1日、地震で動く活断層ではないことを十分に確認するまで、再稼働を認めないよう求める文書を県や県原子力安全専門委員会に出した。国にも同様に求める。
文書を出したのはグリーン・アクションと美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会の2団体。(略)
関連記事

FC2blog テーマ:脱原発 - ジャンル:政治・経済

【2012/06/03 15:45】 | 原子力
トラックバック(0) |  ]
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 


トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック