もちろん、大方の人がそうだと思うけど、テレビドラマ「ハゲタカ」を見て、この小説を知った人が多いと思う。
 しかし、読んでみるとドラマとこの小説はかなり違う。『バイアウト』文庫化で改名『ハゲタカⅡ』は、まだ未読なのだが、『ハゲタカ』は日本経済と金融批判の色彩が濃い。だから、外資ファンド、つまりはハゲタカファンドに対する評価はかなり高くなっている。日本の銀行でリスクを取って企業再生のため貸すところがないというのだ。主人公は柴野と鷲津だが、メインは鷲津の方に置かれている。ドラマ性は薄く、金融の世界での蠢きがほとんど全ての小説なのだ。

 しかも、鷲津は銀行マン出身ですらない。次々と腐った日本の企業に切り込み再生していく。すごく、日本の企業の現状に対する批判的な刺激を受ける。
 しかし、政治や行政がほとんど登場しない。これも現実離れしている。そんなことってあり得ないだろう。

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 この下は、原作者の真山仁の言葉だが、「ドラマと小説は別物です。なので、ドラマとして面白い『ハゲタカ』を見せて下さい。」と求めている。と、いうことでドラマ性の希薄さを埋めてあのテレビドラマが誕生したのだろう。しかし、政治や行政までNHKで出てくるわけがない。もっとがっちりとした社会ドラマが描けないか、真山仁の今後の課題だろう。
ドラマ化にあたり原作への思い

凄まじき生命力のある生き物「ハゲタカ」

おもしろいのはドラマか小説か
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【2008/03/23 20:23】 | 奈良たかし・本の話
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