映画「おくりびと」のアメリカでのリメイク権がロサンゼルスを拠点とする映画製作・配給・セールス会社モーション・ピクチャー・コーポレーション・オブ・アメリカ(以下、MPCA、と略す)により取得されました。舞台は何とニューヨークになる予定。早々の製作開始が予定されています。アカデミー賞外国語映画賞受賞ということも大きいのでしょう。しかしです。

 私も多くの映画や映像で見ているから棺での別れの儀式があるのは知っています。しかし、ニューヨークに納棺儀式などあるのでしょうか。いや、一般的なアメリカで納棺儀式などそもそも存在しないのではないでしょうか。

 映画の元になった青木新門さんが正式な原作者だったら契約時点で海外リメイクなど認めなかったでしょう。青木さんは著書『納棺夫日記』の脚色や青木さんの宗教観が盛り込まれていないことが気に入らず、映画化をお願いした本木雅弘さんに対し、最終的に「やるなら、全く別の作品としてやってほしい」と原作者ではないのです。

 このMPCAは、他に「黄泉がえり」のリメイク権も取得しています。こういう微妙な作品のリメイクを手がける会社なのでしょうか。

 契約は「おくりびと」の製作会社であるセディックインターナショナルとの間にかわされました。このリメイク版には、多くの作品を作られたオリジナル版のプロデューサーであるセディック社の中沢敏明氏もアメリカ側と共にプロデューサーとして参加。体制としてはこれ以上ないほど整っています。

 だからお願いです。どうか、「ゴジラ」や「ドラゴンボール」の悪夢を繰り返さないでほしいのです。「ゴジラ」は、その水爆実験の被害を受けての出現も含めてただの爬虫類ではありません。生き生きとしたポリシーと人格?ゴジラ格のようなものを感じるのです。感情移入できる生物なのです。ところが。米国リメイクの「ゴジラ」は、ただの大きな飛び跳ねるトカゲにすぎませんでした。
 「ドラゴンボール」は名前だけのひどい最悪の作品で、あまりの悪評に日本ではそのひどさを確認してブーイングをするためにだけ映画館に行く人が多かったのです。
 でも「鉄腕アトム」ハリウッド実写化の時は、手塚プロダクションは契約にチェック条項を盛り込みアトムの顔のデザインを米国化しようとするハリウッド側に対し調整を繰り返しました。それでもできはまあまあ程度でしたが。それでも他に比べたら何倍もましでした。

 今回、特に日本の私たちにとって「おくりびと」は琴線に触れる大切な作品であり、それが変な形でリメイクされたらその衝撃は大きいのです。どうか中沢敏明プロデューサーは粘り腰であまりにおかしなことをしようとしたら抵抗してほしいのです。
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【2010/07/07 20:50】 | 映画
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