映画「ライラの冒険 黄金の羅針盤」は、失敗作だと思う。難しいものだと思う。CG映像ばかり全面に出て、演技と演出が稚拙でワケ、わからないというのが正直なところ三部とも原作を読んでいる私がそう思うのだ。アメリカ映画が陥ったCG過剰映画の典型で箸にも棒にもかからない。

 人間としてのドラマがないのだ。冗談じゃない。

 バチカン周辺のキリスト教団体が、反キリスト教的だと非難している。確かに原作より映像にすると際だつ。パラレルワールドの、全てに浸透し、何もかも支配する教権。豪壮な建物の中で人々を押さえつけ意のままに動かそうとする宗教権力。まさにキリスト教そのものだ。

 ニコール・キッドマンが底意地悪くて冷たくて、そのくせ気まぐれに娘を愛する。悪女そのもののコールター夫人役で凄みを見せている。キッドマンは読書家として知られており、キャスティングの連絡後すごく悩んだそうで、当然原作を読んであまりの悪役に、困ったのだろう。原作者フィリップ・プルマンの「キッドマンを思い描いて書いた」という手紙をもらって、出演を決心したそうだ。お前は冷酷女に見えるということなのによく出るものだ。でもはまり役だ。
 本人は、ブルジョアのお嬢様なのに、なぜか悪女が似合う。

 この映画がわかりにくくなった原因は演出の低レベルが第一だが、主人公ライラの、キャスティングも失敗だからではないか。映画よりは百倍ぐらい悪ガキだからだ。まあ、それも制作会社であるニューラインシネマのいうことばかり聞いているスタッフが一番悪いのだが。

 あのファンタジー映画の金字塔である、「ロード・オブ・ザ・リング」でニューラインシネマは大成功した。それで、スタッフが過去にさかのぼる続編を作ろうとしたら、この映画の成功の第一の功労者である監督ピーター・ジャクソンに対して、あきれたことにいうことを聞かず経費を無駄に使っていると、監督から外した。それでガンダルフ役のイアン・マッケランは、ピーターが監督でないなら出演しないと揉めているところだ。映画への愛やどうしたらいい映画になるとかまったく考えていないのだ。そもそも、映画作りがわかっていない。

 米国での興行成績も惨憺たるものだ。あのできで1億8000万ドルも制作費がかかったのに、週末興行成績3,000~4,000万ドルを予定していたのに、2610万ドル。しかし、無駄な金を使う映画の典型だ。
『ライラの冒険』、米興行成績は“黄金”とはならず…

Wikipedia映画「ライラの冒険 黄金の羅針盤」
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【2008/03/21 00:49】 | 映画
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