
1995年のナトリウム漏れ事故で14年5カ月間も止まっていた高速増殖炉もんじゅの運転が再開された。
これだけ、長い年月停止されていた原子力発電所の運転など世界でも例がない。
民主党政権になって無駄遣い分を削って「税金の無駄遣いの根絶」など歳出削減で9・1兆円、埋蔵金の活用や租税特別措置見直しなど歳入増で11・4兆円の計20・5兆円を 捻出するとしていたが、事業仕分けでの捻出もわずかのものでしかない。
これは、政策変更とそれによる予算そのものを組み替えていないからなのだ。無駄削減だけではそれほど出ない。昨年の第1回事業仕分けで運転再開は問題に上げたのに民主党から異論が出て取り上げられなかった。
もんじゅ再開と運転など無駄以外の何物でもない。もんじゅは、高速増殖炉を開発するための実験炉から2番目の原型炉だが、次の実証炉は2025年の建設だが、もんじゅとは違う型式になることがすでに決まっている。今までに9千億円もかけている。そのうえ運転すればこれからも今年230億円、そして毎年200億円以上かかるのに、それだけ金をかけて再開しても何もならないのだ。無駄の極致といっていい。
それに、増殖といっても、30年かけて実は2倍にしかならない。つまりは本当にこれだけ金を使っても実際に経済的に合理的にあうのか疑問なのだ。
一般の公共事業と同じ、ただの、これまでの政策だから継続するという官僚的な政策にすぎない。
これでまた事故が起こればあまりに危険だ。ナトリウムは水に合えば爆発する。なぜ原子炉内では危険かというと原発はほとんどコンクリートでつくられている。床や壁など一般物はその60~55%は、実は水分なのだ。コンクリートを触ってみればしっとりしている。それは水分が多いせいなのだ。コンクリートだらけのところでナトリウムに当たれば、コンクリート自体が爆発状態になる。そしてまたナトリウムがそれで漏れる。
前回のナトリウム漏れの際はどうなったか。実は床には厚さ8mmの鉄板が敷かれていて、それがナトリウムで溶けて1mmの薄さとなり穴が開く寸前で幸いなことに止まって事故が拡大するのを防げた。いつもこうなるわけじゃない。
本来は炉全体に窒素を充てんしなければならないのだが、もんじゅはそういうことはしていないし、完全に造り直さねばできない。
あまりに非合理な再開は、やめるべきである。
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