これまで戦争映画は多くあった。そして戦闘場面はもちろん描かれてきた。しかし、爆撃がまともに描かれたことはなかったように思う。光や音の印象や壁や窓の破裂など部分的なシーンで表現する手法がとられてきた。
 一つの都市が粉々になるような都市空襲を再現し描くことなどあまりに大変なことでできなかったのだ。

 しかし、今回『ドレスデン 運命の日』というドイツ映画で、今のVFXとセットで正面から爆撃の始めから終わりまでを撮った。これは衝撃だった。
 第二次世界大戦末期の1945年2月13日から14日にかけて 「バロックの真珠」と言われた美しい古都ドレスデンをアメリカ軍とイギリス軍が無差別爆撃する。
 街が爆弾で粉々になり、焼夷弾で焼け落ちる中、逃げまどい人々は次々と泣き叫びながら死んでいく。生きながら焼かれ、身もだえしながら消し炭のように黒くなり多くが息絶える。
 建物の下の防空壕に逃げ込んでも、まわり中が火の海で多くが窒息してしまう。あるいは有毒ガス中毒死する。

 木材住宅の街の東京大空襲では約10万人、石造りの都市ドレスデン大空襲では約2万人と言われて、5分の1だ。それでも恐ろしい地獄だ。
 市立病院長の娘アンナは看護師として父の病院で働く。撃墜されたイギリス空軍のパイロットのロバートは病院に逃げ込みアンナは見つけて通報せず匿う。しかし、やがて爆撃が始まり、すさまじい惨状の街を逃げまどうことになる。

 大人のナチスの罪と爆弾を落とされた側であるドイツの人しか撮れない反戦映画である。そしてもはや戦争も末期で爆撃する意味もないのに、ソビエト軍に力を見せつけ牽制のため爆撃を行う英米側の無情も見せつける。

 こんな形で、東京大空襲の映画が作れないのかとしみじみ思う。
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【2008/12/10 00:02】 | 映画
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