この件で、きちんと書いている下記は、12月27日付東京新聞「本音のコラム」『テレビ報道の危機』、筆者は、法政大教授・山口二郎さん。岸井成格氏を意見広告で個人攻撃した連中は、「ここでTBSが圧力に屈するならば、あの運動は次の標的を探すだろう」という指摘は、大きく不気味である。
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テレビ朝日「報道ステーション」のキャスター古舘伊知郎氏が来年3月末で辞めると発表した。
TBS「NEWS23」のアンカー岸井成格氏も降板すると一部新聞は報じている。テレビニュースが政権に対する監視、批判機能を失っている中で、頼みの綱である二つのニュース番組から看板がいなくなることには、さびしいを通り越して、危機感を覚える。
古舘氏が12年つづけて疲れたというのはうそではないだろう。しかし、安倍政権によるテレビへの圧力が疲労度を大きくしたこともあるのではないか。岸井氏については、放送法違反の報道を許さないという意見広告で個人攻撃が行われたことに、薄気味悪さを感じていたところである。
ここでTBSが圧力に屈するならば、あの運動は次の標的を探すだろう。
古舘氏は退任の弁の中で、純粋の中立はあり得ないと言った。人間はみな自分の興味、関心に沿って物事を見る。ニュースで何を取り上げるかに、製作する側の価値観が反映される。もちろん、事実の歪曲や主観の押し付けは論外である。
その上で、報道の中立、公平とは、個々のキャスターに要求するのではなく、業界全体としてバランスを確保するという意味で使うべき言葉である。
たいこ持ちのようなニュース番組が多い今、二人の退場はテレビ報道の公正を損なう結果につながる。
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