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原子力規制委員会は川内原発を含めた再稼働などで、原発事故の際の30km圏の住民避難先や計画が無くてもいいと設定していることが、8月21日の原子力規制委員会との政府交渉で判明しました。これは、国の従来の指針をねじまげ、10km圏外の施設の避難計画がほとんど策定されていない鹿児島県の現状にあわせようとするものです。以下はその交渉をまとめたFoE Japanの満田さんのメールです。

交渉で、担当者がおかしいだけではなく、これは無理を押しとおそうとするから、変になっているのだと判断します。

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みなさま(重複失礼、拡散歓迎)

FoE Japanの満田です。

規制庁・内閣府が、30km圏内5km圏外の要援護者の施設の避難先は、「必ずしも決まっていなくてもよい」「避難計画が策定されていなくてもよい」としていることが明らかになりました。

これは、10km圏外の要援護者の施設の避難計画がほとんど策定されていない鹿児島県の現状にあわせて、国の従来の指針をねじまげるものです。

また、施設の避難計画が、計画通りに実施できなかったときに、自治体が避難先などを調整するために設置する調整委員会については、鹿児島県では設置されていません。

鹿児島県は、かわりにコンピュータ・システムを導入して避難先などの調整をするそうですが、規制庁・内閣府は、これについても「必ずしも、"委員会"でなくてもよい」と、鹿児島県の方針を容認する構えです。しかし、具体的に、どのようなコンピューター・システムであるかについては、規制庁・内閣府は答えることができませんでした。

報告を下記にアップしたので拡散をお願いします。
http://www.kiseikanshishimin.net/2014/08/22/140821report/

昨日(8/21)、「原発避難問題に関する政府交渉 in 東京」が開かれました。
鹿児島から杉原さん(反原発・かごしまネット)、永池さん(出水市市民)、賀から石丸さん、永野さん、新潟から小木曽さん、石川から林さん、静岡から鈴木さん(浜岡原発を考える静岡ネットワーク)、関西から島田さん、アイリーンさんがかけつけてくださいました。
参加者は全部で70名ほど。参加者のみなさん、スタッフのみなさん、本当にお疲れ様でした。

質問書および付随する資料は、以下のリンクの「資料1」「資料2」としてアップしています。また各地からの報告もアップしています。
http://www.kiseikanshishimin.net/2014/08/12/140821/。

ポイントとなったのは、要援護者の避難についてでした。

30km圏で、要援護者が入所・入院している社会福祉施設や病院は、施設側が避難計画を策定し、それに沿った形で避難が行われることになっています。福井県などは、自らが国の指導に沿って、30km圏の要援護者の施設の一覧および受け入れ先施設の一覧を作成しています(資料2のp.13, p.14参照)。

ところが、鹿児島県は、10km圏内での施設は避難計画を策定したものの、10km圏外では策定されていません。
伊藤知事は、「10km以遠の要援護者の施設の計画を策定することは現実的ではない」と発言しています。

これに合わせるかのように、原子力規制庁が、5km圏外の要援護者の施設は、避難先などを決めなくてもよく、調整する仕組みさえ決まっていればよいとしていることが、昨日の交渉で明らかになりました。

これは従来の、要援護者の避難について国が出している指針とは異なります。

原発の避難計画に関する国の指針「共通課題についての対応指針」(平成25年10月)では下記のように記述しています。

「医療機関・社会福祉施設等による避難準備重点区域内にある、病院等の医療機関や社会福祉施設等(以下、「入所施設」という。)は、入院患者・入所者の避難に関する計画をあらかじめ作成する。この計画においては、入院患者・入所者の受入れに足る十分な避難先施設をあらかじめ決めておく…」
「道府県及び市町村の保健福祉部等は、行政区域内にある入所施設の避難の計画をあらかじめ把握するとともに、原子力災害時に各入所施設の避難が計画通り実施出来ない場合に備えて、緊急時に搬送先や搬送手段の調整を行う調整委員会の設置等の体制を、あらかじめ整備する。」

→つまり、この指針では、施設の「計画の策定」と、それがうまくいかなかった
ときのバックアップとしての「調整委員会」の設置の二本立てで対応するというもの。

昨日対応したのは、喜多 充氏(原子力規制庁原子力防災対策課地域防災推進官 兼 内閣府 原子力災害対策担当室参事官補佐)でしたが、市民側とのやりとりは下記のようなものでした。

当方:(上記の指針を読み上げ)鹿児島県では、10kmより外の施設は、避難計画がほとんど策定されていないが、国としてはそれでよいのか。

喜多氏:UPZ内(30km圏内)の施設であっても、避難先などを決める必要はない。
調整する仕組みさえつくればよい。

当方:それはどこに書いてあるのか。

喜多氏:(答えられず。)

当方:調整する仕組みとは、指針の「調整委員会」のことだと思われるが、鹿児島県の場合、どのようなものが設置されているのか?

喜多氏:鹿児島県の場合は、コンピューターシステムである。(会場から驚きの声)

当方:どのようなコンピューターシステムか。

喜多氏:確認中。

喜多氏:また、避難先候補の施設のリストが記録されている。

当方:避難先のリストというが、その施設側の了解は得ているのか?

喜多氏:まだ「候補」なので了解は得ていないと思う。

当方:施設のリストをつくるだけだったら、誰にでもすぐできる。それを避難先とは言わない。

(実際、どの県でもそうだと思いますが、鹿児島県は、従来から県内の社会福祉施設のリストを公表しています)

当方:調整委員会として、「コンピューターシステム」を立ち上げているのは、鹿児島県だけか?

喜多氏:はい。

当方:通常の住民の場合は、避難先が具体的に決められている。要援護者の施設の避難先を決めなくてもよいとする理由は何か。

喜多氏:要援護者の状況・病状が変化するために、決めることができないため。

その他にも、喜多氏からは、驚きの発言がありました。

◆原子力防災計画についての国の責任について

当方:原子力規制委員会設置法の附帯決議に、地域防災計画(ここに原子力防災計画も含まれます)の内容・進捗を「確認」するとなっている。

喜多氏:防災基本計画に沿った内容であるかどうかを確認する。

当方:実効性・合理性については確認しないのか。

喜多氏:実効性・合理性については、ごにょごにょ(言を左右にして、結局よくわからず。) 防災訓練によって、向上させていく。

当方からの質問項目:川内原発の原子力防災計画および避難計画に関連して、国が行っている財政支援はどの程度か?

喜多氏:(なんだか聴き取りづらかったのですが)原子力施設安全交付金として、62.3億円→110億円→120.5億円(UPZの自治体に交付)、病院の防護や周辺地域における防護措置で、平成24年度111億円、平成25年度200億円

当方:つまり、原子力防災計画に対しては、国が多額の交付金や補助金を支出している。すなわち、国の責任があるということは自明ではないか。

喜多氏:金を出しているからといって、責任を負うとは限らない。

(会場から怒りの声)

川内原発の避難計画の実効性について

当方からの事前質問:川内原発の避難計画においては、避難先が風下の可能性が高いことが指摘されている。計画は放射性物質の拡散シミュレーションを踏まえたものではない。北西・北からの風が多いのに、設定されている避難先が南・南東が多いなど、風下への避難になる可能性がある。これは問題ではないか。国としてはどのように指導しているのか。

喜多氏:PAZ(5km圏)の住民は、原発からの放射性物質の拡散前の避難になるので、風向きがどうあろうと関係ない。(→意味不明)

UPZ(30km圏)の住民は、1週間おいての避難となるため、風下ではない方向に避難すればよい。

一方向からの風であれば、風下ではないUPZの住民は避難する必要はなく、その住民が避難するはずであった場所を使えばよい。

当方:風向きは一定ではない。

喜多氏:風向きが一定でなければ、放射性物質は、30km圏外には飛ばない。

当方:意味がよくわからないので、根拠となる資料を出してほしい。福島原発事故のときの根拠とも大きく異なる。

喜多氏:根拠は、原子力規制庁が行っているシミュレーション。
(ちょっと意味がよくわからないので、再度、質問を出す予定です)

<感想>
喜多氏の答弁は、あまりにひどく、無責任な上に、わけがわからないものでした。

あきらかに、わけのわからない発言を繰り返す彼一人に答弁させている原子力規制庁の姿勢もわけがわかりません。

また、「原子力規制庁防災政策課」 兼 「内閣府原子力災害対策担当官」という肩書きが示すように、原子力防災計画の策定を支援するという内閣府の立場と、第三者的な立場で規制する(実際はしていませんが)の規制庁の立場を兼任して
いるのは問題ではないでしょうか。(というか、内閣府の原子力災害対策担当は全部、規制庁の防災政策課の人たちではないかと思います)

規制庁が、川内原発をなんとか再稼働させるために、原子力防災にまつわる従来の指針をねじまげるものであることは、間違いないと思います。

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川内原発~避難計画のここが問題 これでは命は守れない!
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満田夏花 MITSUTA Kanna
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【2014/09/03 11:22】 | 政治・経済
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