[2/9追記] 末尾の、堤未果さんのコラム内容は、海賊についてはあまりに違うことがわかった。海賊の状態はここに新しく書いた。ただし、このエントリの内容は相変わらず基本的には変わらないので残すことにした。
http://isiki21.blog45.fc2.com/blog-entry-155.html




 ソマリアの海賊対策に自衛隊戦艦を派遣して海賊船を停止させるための船体射撃への武器使用を認めると自民党・公明党の与党プロジェクトチームが合意した。警察活動での武器使用は武力行使ではないという理屈だ。
 海外に行って船や人に危害を加える、射撃するのなら、私たちが戦後歩んできた平和日本の道を根底からひっくり返すことだ。しかし、なぜ海賊被害が多発するのか、よく考えるべきだ。
 末尾引用のように、廃棄物による薬品被害のせいで海賊になったという情報もある。そうなのだ。私たちは何も調べていない。

 もし、人が死んだり船が沈んだりしたら私たちは中東での信頼を失い、敵になってしまう。アメリカと同じように世界から孤立したいのか。なんという稚拙な、拙速な決定だろう。

 自民党は過去から、海上警察行動のための海上保安庁の巡視船に機関砲を設置したのを皮切りに、巡視船を重武装化してきた。武力行使ではないという口実のためである。

 92~93年には、再処理済みプルトニウムをフランスから日本まで海上運搬輸送警備に、巡視船「しきしま」をわざわざ建造、対テロ特殊部隊まで設立した。この「しきしま」という船、排水量6500トン、大小4基6門の機関砲で武装し、大型ヘリを2機搭載し、通常の巡視船には必要ない対空レーダーまで装備している。巡視船としては排水量世界一、武装も日本の巡視船の中では一番という船まで作った。

 2001年の20ミリ機関砲射撃による不審船撃沈を受けて、2002年8月には、重武装の新型巡視船3隻建造を決定。長さ約95メートル、約1、800トン。動く目標でも正確な射撃が可能な自動照準式の40ミリ機関砲(射程5キロ以上)や、夜間でも不審船を捕捉できる赤外線監視装置などを搭載する。速度は、通常の巡視船より速い30ノット(時速約56キロ)以上。不審船の追跡を支援するため、後甲板にヘリコプターが発着できるスペースまで設けた。

 そしていよいよ自衛官に逮捕権限がないため海上保安庁の海上保安官を乗船させて、自衛艦船による警察行動という言い訳を作って派遣する。
 武器使用したいがためにだけ急いで艦船を派遣しようとしているとしか思えない。自衛艦が射撃しておいて、いや警察行動で武力行使ではないと、民衆に通ると思っているのだろうか。世界は与党の慰みのためにあるわけではない。心から軽蔑する。
 そんなくらいなら自衛隊が戦艦で行かずに、ソマリアに救援に行ったほうがいい。それが求められていると思うのだ。

東京新聞」2009年1月19日『本音のコラム』より

海賊の正体  堤未果

 ソマリア海域の海賊事件が急増し、国際海事局が各国に協力を呼びかけている。海上自衛隊派遣の議論が高まる中でふと思う。そもそもこの「海賊」は何者なのだろう?

 UNEP(国連環境計画)の職員ニック・ナトール氏は英紙のインタビューで、1990年代初めに欧米の大企業がソマリアの政治家・軍幹部と交わした廃棄物投棄協定について指摘する。

 内容はそれらの企業が今後ソマリア地域沿岸に産業廃棄物を投棄することを認めるというものでだ。その後、放射性物質に汚染された地域住民数万人が発病。国連が調査した結果、有害化学物質によるものであることが明らかになった。海域を汚染する外国企業に生活手段を奪われ、いくら訴えても動かない国連に見切りをつけたソマリア漁民は自ら武器をとり、やがては「海賊」と呼ばれるようになったという。

 別な立場の人々に目線を合わせる事は、時にもっと大きな敵の存在に気づかせる。あるイラク帰還兵は私に言った。「本当のテロリストは誰なんだ?」と。

 現実に起きている惨事への対応は待ったなしだ。そこに至る状況を作り出してきた時系列での丁寧な検証は、毎日各地で罪のない人々の血を流し続ける紛争の類似性と、欲望が作り出すもう一つの世界地図を浮かび上がらせるだろう。真の歴史教育が変革を後押しする。(ジャーナリスト)

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【2009/02/01 00:01】 | 戦争と平和
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