平原綾香の「カンパニュラの恋」をテレビで初めて聞いて衝撃を受けました。あまりに深く素晴らしい歌だったのです。彼女が大学を卒業して本業の歌手となってわずか1年半余りでここまで到達したのですね。

 何しろテレビはニュースか特定の番組、少数のドラマしか見ません。調べるとドラマ「風のガーデン」の挿入歌で、ショパンの名曲「ノクターン」を元に作曲・編曲して歌詞を付けたものでした。この原曲「ノクターン」に英語の歌詞をつけたものが、「風のガーデン」のエンディングソングだったことを初めて知りました。

 「風のガーデン」は、見なかったのでわからなかったのです。実は、緒形拳さんの晩年のドラマはあまり見ていないのです。NHKの「帽子」は、初回も追悼放映も録画したが、見ないまま消してしまいました。ましてや、遺作ということで避けてしまったのです。

 私は緒形拳さんのドラマは、1965年1月3日から12月26日のNHK大河ドラマ「太閤記」、1969年7月17日から1970年1月8日までの「豆腐屋の四季」から見ているのですが、あの緒方さんしか出せないぎらぎらとした野生としかよべない演技にたえず魅了されてきました。ドラマでは特に、「必殺仕掛人」の藤枝梅安、「必殺必中仕事屋稼業」の知らぬ顔の半兵衛役が、最高だと思います。必殺仕掛人は映画でも同役でよかった。

 「豆腐屋の四季」の原作者、故松下竜一さんは、これが作家になる前の若い時に書いた作品で緒形さんももちろん若い時の主演なのです。松下さんが言っておられましたが、いつも気にかけて作品の感想など手紙で貰ったし、確か記念パーティにも、わざわざ東京から大分まで来てくれたそうです。人間としても素晴らしい人だと思います。

 だから晩年の演技を見るのがつらかったのです。緒形さんらしい演技は2005年の映画「蝉しぐれ」の父親、牧助左衛門役が最後では。原作にあるように、とても素晴らしい、そしてどっしりと頼りになり尊敬できる父親を、みごとに演じておられました。

 しかも、平原綾香が演技するというのでこれも見ない原因でした。彼女は2007年5月のNHK「SONGS」で、3月に大学を卒業したのでこれからは歌一筋です、とはっきりと宣言していたのに何てことだろう。ゲスト的な歌手芝居では困る。そう思ったのです。
 しかし、今回あまりに気になり、友人が録画していたものの1、2回分を借りて見ました。

 緒形拳さんの演技は静かでしたが、あの父親の深い思い。患者によせるやさしさ。自殺した義娘と原因になった浮気な息子に見せた激しい怒り。最後の燃えるようなものが込められ、緒形さんの気持ちがすべてに満ちていて感心しました。ドラマのできばえもいい。全部見たいと思いました。

 そして、問題の平原綾香さんです。無名の歌手、氷室茜役ですが、挿入歌と、エンディングソングに関係するための時間は短いが重要な役でした。ところがすぐれた演技力を持っていることがわかりました。みごとです。おやおやっと思ったら、放送後のスペシャルライブで女優の引退宣言をしたと知りました。
 これは、きわめてもったいない残念なことですが、やむを得ないと思いました。「風のガーデン」を見て、おそらく、ドラマ、映画のオファーが押し寄せたことだと思います。
 すぐれた映画企画を選べば2009年の映画新人賞はおそらく間違いなし、という感じですが、そうなれば歌一筋の仕事に障害になります。まだ24歳、しかも30代で歌をやめて役者にはならないでしょうし、これから30年くらいは歌手として一線で続けるであろう人なのです。

 劇中で、平原演じる氷室茜が、ショパンの「ノクターン」に歌詞を付けたバラード「カンパニュラの恋」がカナダで大ヒットしていて、それを日本でカバーさせてもらえることになったと言いました。それで本気にして、そうなのかと探しましたが、そんなものはありませんでした。日本で、「ノクターン」を元にして作曲・編曲をして、そして平原綾香自身が作詞したのでした。
 大学時代の「ジュピター」はホルストの組曲「惑星」の第4曲「木星 」に歌詞をつけて歌うというのは平原綾香からの提案でした。今回はどうなのでしょう。
 次の「カンパニュラの恋」の映像は画面は個人のもの、音楽はYoutubeは、JASRACに昨年から著作権料を支払っているので違法映像ではないと思います。

 緒形拳さんの冥福を祈ります。そして平原綾香さんのいっそうの歌の道での活躍を期待します。

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【2009/01/13 19:57】 | テレビ
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