高速増殖炉もんじゅ
 今日、午前中についにもんじゅ臨界に達しました。臨界とは、核分裂が連続して起こる状態のことです。普通の原子力発電所でも危険なのに、もんじゅというのは、特に原子炉としてもともと安全と危険の危うい中間点にいます。

 核分裂の起こるウラン235というのは、原子核が大きく不安定で条件を整えれば、中性子が当たり原子核が分裂します。その時原子核をまとめていた巨大な力が解放され高熱エネルギーが出るのです。ところが、この分裂のとき中性子が2個出るのがわかり、次々と他のウラン235の原子核に当たりその原子核も分裂。つまりは核分裂の連続反応が起きると分かったのです。

 2個2個と乗数で増えていって、あっという間に核分裂が展開したら、これは原子爆弾です。それで産業の展開に、これを使うために、核分裂の制御が考えられた。これが原子力発電で、まず水で中性子のスピードを抑え、その中に制御棒を入れて中性子を1個吸収させる。そうすると連鎖反応が抑えられるのです。この1個の中性子を吸収するのが原子炉の眼目です。補助として、ボロンやホウ酸などの中性子を吸収する薬品も使います。

 ところが、もんじゅのような高速増殖炉では、燃料棒の周りに分裂しないウラン238を置いて、中性子をあてプルトニウム239を作らねばならず、あまり中性子が遅いと十分増殖反応が起きないのです。

 そのためかなり無理をしてまず燃料棒のある炉心では水の代わりにナトリウムを使用しています。そのうえナトリウムでは当たり前ですが、蒸気タービンを回せず発電ができない。また炉心の中で直接燃料棒に触れたものは高濃度の放射能で汚れています。そのために格納容器内で二次系統に熱を伝えます。ところが直接水に伝えるとナトリウムと水が接して熱を伝えるのですからわずかな漏れで混ざれば爆発します。格納容器内で爆発するとあまりに危険なのでその伝達部分に直接水は使えずまたナトリウムに熱を伝え、格納容器から出て三次系統でまた水に伝えるという、ナトリウム→ナトリウム→水と熱伝達を三重にしているのです。

 しかも、ナトリウムというのは、熱が低いと固体に戻ってしまいます。だからパイプを熱保護剤で包んで、その中に電熱線を入れて絶えず熱しています。
文部科学省もんじゅパンフレット炉発電図

文部科学省「もんじゅ」下記パンフレットより引用
http://www.jaea.go.jp/04/turuga/mext-monju/
download/pamph/new_monju.pdf


 つまりは、あまりにも、うんざりするような複雑な構造なのです。

 それと原子力発電は夢のエネルギーで電気はすべて無料になる、と開発当初に言われました。でもウソだったのです。
 結局はヤカンでお湯を沸かしているのと大差がありません。高熱が出るのでそれを利用して水を熱して発電用の蒸気タービンを回して発電しているだけなのです。かなり古めかしい技術なのです。しかも熱の発生が核分裂を利用したものであまりに危険なのです。いかも大規模すぎて自動車など手近な燃料にも使えません。危険性もあり過疎地に造って長大な送電線で送電ロスと送電のための費用をかけながら遠くに運んで行きます。しかし、事故が起こればあっという間に距離など関係なく危険です。

 もうこんな古い技術はやめて、例えば今トウモロコシなどのデンプンからバイオエタノールという液体燃料を作っていて食料高騰を招いたり批判されていますが、化学反応を工夫して雑草のスチロールから直接バイオエタノールが作れないか研究されています。

 また、太陽光発電も植物の葉緑体に似た反応でもっとダイレクトに超高率で電気に変換できないか。

 少なくとも日本が危険と危険な技術をばらまくということは避けたいのです。

 どうか、もんじゅに反対してください。全ての原発に反対してください。お願いします。
 

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【2010/05/08 21:31】 | 原子力
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「グリーン・アクション 代表:アイリーン・美緒子・スミス」と、「美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 代表:小山英之」が、もんじゅ運転再開に抗議声明を出しました。関西の住民にとって深刻だし、実は、あらゆる日本国民住民や周囲の国の人にとっても問題です。

抗 議 声 明

「もんじゅ」の運転再開に抗議する

原子力機構の情報隠ぺい、安全性軽視の体質は何も変わっていない

美浜の会ホームページより
http://www.jca.apc.org/mihama/
monju/monju_prtst100506.htm


 原子力研究開発機構(原子力機構)は本日(5月6日)、多くの人々の反対や不安の声を踏みにじり、あの大事故から15年近く止まっていた「もんじゅ」の運転再開を強行した。これによって、いつ起こるとも知れぬ事故の恐怖と隣り合わせの生活を広い範囲の周辺住民は強いられる。生命の安全を侵害するこのような行為に強く抗議する。

 運転再開の直前になって、原子力機構の情報隠ぺいと安全性軽視の体質がなんら変わっていないことが改めて明らかになった。
 4月26日の深夜に起きたナトリウム漏えい検出器の故障では、故障した検出器は、実は昨年にも同様の故障が起きて取り替えており、さらに、昨年の取り替え時に原因究明を行っていないことが明らかになった。福井県は、4月30日になって原子力機構からこのことを初めて知らされたにもかかわらず、事実を公にすることもなく、原子力安全・保安院の調査に全てを委ねた。
 5月3日に原子力機構が出した検出器故障に関する報告書では、昨年の事態について何も触れていない。保安院は隠ぺいしていたことについて責任を問うこともせず、報告書を了承した。運転再開のスケジュールを最優先にして、原子力機構の隠ぺい体質を隠ぺいした。
 しかし、今回の検出器の故障は氷山の一角にすぎない。15年近くも運転を停止していた「もんじゅ」では、機器の故障の見落としや、さらには全ての機器を検査できないという事実がある。耐震安全性についても、活断層の抹消や、解析を駆使して機器の耐震性を安全であるかのごとく見せかけている。

 「もんじゅ」運転再開にあたって、原子力安全委員会は、少々のことがあっても運転を止めないことを基本姿勢にしている。一度止めれば、二度と立ち上がれないという「恐怖心」からだ。事実、原子力機構は、1種類のナトリウム漏えい検出器が鳴っても炉を止めないと表明し、超危険な運転を開始した。
 これらの背景には、鳩山政権の異常なまでの原発・核燃料サイクル推進政策がある。温暖化対策に名を借りて、「もんじゅ」、プルサーマル、老朽原発にむち打つ稼働率アップの危険な運転、さらには原発輸出を「成長戦略」の重要な柱として推し進めようとしている。
 福井県知事は、新幹線をはじめとする「地元振興策」と引き替えに、「もんじゅ」の運転再開を了承した。住民の生命の安全と危険な「もんじゅ」運転再開を天秤にかけた。

 地元をはじめ周辺住民の生命をもてあそぶ「もんじゅ」の運転再開に抗議する。
 「もんじゅ」が大事故を起こす前に、即刻運転を停止するよう強く要求する。

2010年5月6日
  グリーン・アクション 代表:アイリーン・美緒子・スミス


  美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 代表:小山英之

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【2010/05/08 19:29】 | 政治・経済
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