オバマ大統領が、選挙公約のとおりアフガニスタンへの約1万7千人の大幅増派を命令した。状況によるが3万人を限界とした増派を予定している。8月20日実施のアフガン大統領選への現職カルザイ大統領再選への応援を兼ねたものだ。なにしろカルザイ政権は汚職のまん延や、武装勢力タリバンの再台頭と対立で国内情勢は内戦が再発してきわめて人気は低いのだ。

 外国の大使館を標的とした自爆テロが起きたり、国際部隊の死者の数が過去最悪となり、日本のNGO「ペシャワール会」メンバーの伊藤和也さんが殺されるなどタリバンにほぼ負けつつある。さらに「テロとの戦い」のカギを握る隣国パキスタンも国内情勢が悪化している。
 すでにアメリカの軍事支配下で大統領選は2回目だが、1回目の時はカルザイ候補など国民のほとんどが知らなかったという、アメリカの傀儡政権なのだ。外出時や平常でも、たえず米軍に警護され続け、それ無しではいられない存在だ。

 すでにオバマ大統領は敵対するものとも外交で話し合うという公約を掲げている。それにはイランが前面に出ている。
 しかし、空想的に見えるかもしれないが、本当はタリバンと外交調整ができて政権に取り込むことができればすべてが解決する。

 アフガニスタンの争乱の歴史を見ると、1979年ソ連が侵攻したのが始まりだった。これは自らの影響力のある前年成立した共産主義主義政権がイスラム勢力との内戦で崩壊しかけそれを直接軍事占領して傀儡政権を作るのが目的だった。
 そのときアメリカが隠密に介入して、軍事費はサウジアラビアから調達したが、そのときのサウジ側からの代理人となり、同国を始めとする義勇兵の窓口となったのが、ビン・ラディンである。そしてイスラム勢力を軍事指導してソ連とアメリカの支援によるイスラムゲリラとの代理戦争化し、大量の武器が双方から持ち込まれた。そのうえでソ連軍が引き上げたとたん、山積みの武器をそのままにして一切を放置してアメリカも忘れ去りアフガン国内は軍閥の内戦と群雄割拠状態となった。

 アフガニスタンは世界最貧国の一つだが、周囲の国への交通の要衝で、関税が主要財源だった。それと国内は半砂漠だが、ペルシャ生まれのカナート、地下水路により果樹栽培など農業は盛んで繁栄していた。それが軍閥による内戦の中ですべてが荒廃と社会悪のスパイラル化していった。人々は戦場の中で暮らす状態になり、麻薬栽培とその密輸にはしったのだ。 そしてアフガン人は平均寿命40歳だった。子供たちは戦争の中での生活しか知らなかったのだ。

 この荒廃と内戦が、後背地で同じイスラム国なので波及すると危険視したパキスタンが、アメリカCIAの協力を得て訓練を施したのがタリバンなのだ。たちまち彼らは軍閥を倒して、席巻して国内をほぼ握った。そのときタリバンの代表団が米国に招待され各地を回っている。今となっては信じられないだろうが、米国の友好的な勢力だったのだ。

 それが反米的敵対存在となったのは、アメリカ有力婦人団体がその女性を閉じこめ教育も受けさせない復古的な反女性的政策に批判を強めて攻撃キャンペーンをしたのが始まりである。絶縁され、孤立化した彼らはやがてアラブのイスラム原理主義勢力と結びついたのだ。そしてテロリストの温床となり、ビン・ラディンも再度やってきてアメリカ攻撃をした。そして9・11にいたる。

 9・11テロ攻撃が明らかになったときに、タリバン政権はビン・ラディンがやっていたことを知らなかった、ビン・ラディンを引き渡すと釈明していた。これは事実のようでタリバンも彼の財力によりたぶらかされていたようなのだ。だからタリバンがテロやその支援をしていたわけではない。米国ブッシュ政権は信用せず、問答無用で報復攻撃をした。

 アメリカ軍は、現在アフガニスタンだけでなくタリバンと同族のパシュトン人のパキスタン側国境付近の独立的自治地帯に、タリバンを支えている、ビン・ラディンを匿っていると無人機による頻繁な爆撃を繰り返している。ブット元首相暗殺後にザルダリ氏が大統領になった後も攻撃を強め反米主義がいっそう高揚している。

 オバマは、大統領選挙中、もしパキスタンが混乱状態になったとき、直接介入にも言及している。

 今回その無人機がパキスタン南西部のシャムシ空港を利用して発進していることが明らかになり、自国民攻撃へのザルダリ政権の積極的な関与は明らかで、いっそう問題になろうとしている。パキスタンも含めて反アメリカのカオス状態になろうとしているのだ。

 難しいだろうが、いずれはタリバンと和解し、そして話し合いが重要になると思う。そして挙国一致政権ができるかがすべてを握っている。そうでないとベトナム戦争的泥沼化が始まり際限ない闘いが続く。もしかしたらパキスタンも崩壊するかもわからない。

 これをたいていできっこない。だいいちアメリカ世論が許さないと思うだろう。でもタリバンが大きく分裂して別の名前のグループができたらどうだろう。女性に対する復古政策は取り下げたイスラムグループだ。もちろん何らかの働きかけの上だ。それでもだめだというだろうか。つまりは方法はあるわけだ。

 オバマは軍事政策は、ブッシュと変わらないと言われる。このままではやはり果てしない戦争狂への道になる。

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【2009/02/19 01:50】 | 戦争と平和
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