ソマリア沖の海賊警備に、防衛省が三自衛隊の統合運用を検討している。これでは完全に準戦時体制である。そのうえ、このことをサンケイ新聞しか報じていない。朝日新聞が何一つ載せない。しかも、注目すべきは「駆けつけ巻き込まれ」戦闘をやると公言して悪名高い佐藤正久元自衛官参院議員が、「ソマリア沖の海賊対策では統合態勢での検討を防衛省に働きかけてきた」方法であり、海上警備行動から逸脱している。

http://east.tegelog.jp/index.php?itemid=2312

しかも、2番目の記事の通り多国籍軍には参加しない。中国、ロシア、インド軍と同様に個別対応である。これは多国籍軍に入らないのはいいが、諸刃の剣できわめてトラブルに巻き込まれやすい状態である。

 佐藤議員と同様に巻き込まれ戦闘をするつもりなのだろうか。

 かつては、自衛隊事務局である内局は警察出身官僚が占めて、根拠のない防衛出動に抑制的だった。60年安保の時岸内閣で岸総理が自衛隊の治安出動を赤城宗徳防衛長官に要請したが長官は断った。これは英断だと言われたが実は事前段階で治安出動に本当は乗り気だったのだ。ところが、内局に根回しするとほとんどが反対で実行できなかったのだ。ところが、今やネオコン化しているのか、政治の暴走を後押ししている。

 政治側の動きが鈍い。民主党はイケイケという防衛突撃派が多く、党内論議ができない。3日、党外交防衛部門会議を開き、アフリカ・ソマリア沖の海賊被害の実態について外務、防衛両省、海上保安庁からのヒアリングを行った程度。全体としてあまりに理解が進んでいないのだ。何をしているのか。

 先にも書いたが、ソマリアは政府がなく無政府状態で憲法すら廃止されている。その中で海賊行為取り締まりはソマリアの内政問題である。それが無政府状態で解決できないのならサウジアラビアなどが仲介する動きがあるのだから、政府がただちに中東諸国に飛んで対策を協議すべきなのである。それが外交というものだ。その中で先進国・新興国各国へ安定と政府樹立への援助を呼びかけて生活援助も含め海賊対策をする。これが正当なやり方である。国内政治と防衛突出の道具にしている。

ソマリア沖派遣 防衛省が自衛隊・陸海空の統合運用検討
2009.2.2 01:10

http://sankei.jp.msn.com/politics/
policy/090202/plc0902020111000-n1.htm


http://sankei.jp.msn.com/politics/
policy/090202/plc0902020111000-n2.htm


 アフリカ・ソマリア沖の海賊対策で、防衛省が陸海空3自衛隊の統合運用を検討していることが1日、分かった。中東カタールの米軍司令部に空自連絡官を置く方針を固め、P3C哨戒機部隊が派遣されれば、空自のC130輸送機で日本から物資を定期的に運ぶ。海自の拠点となるジブチでは、陸自による基地警備が可能か検討を始めた。実現すれば、国際平和協力活動で初の統合運用になる。

 政府は先月28日、ソマリア沖の海賊対策で自衛隊法に基づく海上警備行動を発令する方針を決定。海上警備行動は3月上旬にも発令予定で、これを受け、海自は護衛艦2隻を派遣し、ジブチに活動拠点を置く。海自は上空からの海賊船の警戒監視に向け、P3Cの派遣も検討している。

 海自派遣に伴い、防衛省は、米軍がカタールに置く合同航空作戦センター(CAOC)に空自要員を連絡官として送る。CAOCは米中央軍が管轄する中東やソマリアを含むアフリカ北西部での航空作戦を一元的に指揮する司令部。イラクやアフガニスタンに駐留する英軍や豪軍も要員を派遣している。

 ソマリア沖周辺では、海賊対策やテロリストの動向を監視するため、米軍や仏軍などの哨戒機が飛行している。CAOCはそれらの飛行状況を集約しており、空自要員は情報収集や調整にあたる。

 空自は昨年12月まで10人の要員をCAOCに常駐させていたが、イラクでの輸送任務終了に合わせ、引き揚げさせた。CAOCに復帰することで、イラクやアフガン情勢を把握できるメリットも大きく、派遣時期や要員の規模を詰める。

 海自がP3Cの派遣に踏み切れば、空自は輸送任務も担う。モデルケースになるのは中東ゴラン高原の国連兵力引き離し監視隊(UNDOF)派遣だ。

 空自は、平成8年からUNDOFの後方支援を行っている陸自要員に半年に1度の割合で物資を送っており、同様の輸送を行う。C130が日本とジブチを往復する際、給油のための複数の中継地点が必要で、近く候補地の選定に入る。

 陸自も海賊対策に加わることに前向きだ。海自のP3C部隊の拠点には、ジブチの国際空港に近い米軍基地や仏軍基地などが想定される。陸自は駐機場などの警備で要員を派遣できるか検討に着手したが、陸自による警備の必要性については、防衛省内局に慎重な意見もあるという。




対ソマリア海賊 海自は多国籍軍不参加
2009年2月3日 07時12分

http://www.tokyo-np.co.jp/
s/article/2009020390071221.html

 アフリカ・ソマリア沖の海賊対策に護衛艦やP3C哨戒機の派遣を検討している防衛省は、憲法や自衛隊法の制約から現地で多国籍軍の枠組みに入らず、個別対応する方針であることが二日、分かった。だが、探知した海賊船の情報は多国籍軍に提供し、部隊の運用調整のため自衛官を多国籍軍に派遣する。

 ソマリア沖の海賊対策を行う多国籍軍は、欧州連合(EU)と米国主導の二つある。中国、ロシア、インドなどは個別対応だ。

 EUはアデン湾で「アタランタ作戦」(司令部・英国)を展開し、英、仏、独、ギリシャの駆逐艦が参加。(1)国連世界食糧計画(WFP)の船舶の護衛や一般商船のエスコート(2)商船に特殊部隊が乗船する-という二種類の護衛を行っている。

 米国は中東のバーレーンに司令部を置き、さまざまな海軍作戦を展開中。米主導の多国籍軍「混成任務部隊(CTF150)」が洋上監視を続けるインド洋に先月八日、新多国籍軍CTF151を立ち上げ、海賊の取り締まりを始めた。

 海上自衛隊は、新テロ対策特別措置法(給油新法)を根拠にCTF150で洋上補給を続けているが、憲法九条で禁じた武力行使につながるおそれがあるとして多国籍軍には入っていない。

 CTF151の活動は「攻撃しても武力行使にならない」と日本政府が判断した海賊の制圧が中心とはいえ、武力行使とみなされる「国または国に準じる組織=一部のテロ組織」との交戦を否定していない。このため、CTF151への参加は困難と判断した。

 EUのアタランタ作戦は海賊対策に特化しているが、海自護衛艦は自衛隊法の海上警備行動を根拠に派遣されるため、可能な活動は「日本関係の船舶を守る」ことだけ。

 EUのように「護衛を希望するすべての船舶」を守ることはできず、摩擦の原因になりかねないとして、やはり参加を断念する方向だ。

 だが、「一般的な情報提供は問題ない」との政府見解に従い、P3C哨戒機が探知した海賊船情報は米軍やEUに提供。多国籍軍司令部への連絡官派遣も計画している。


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【2009/02/03 22:09】 | 戦争と平和
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  先週、長年ほしいと思っていた本が出ていてみごと大人買い。
 それは、ライマン・フランク・ボウム「オズの魔法使い」シリーズなのだ。
 ええっ『オズの魔法使い』なら知ってるけど、"シリーズ"って何。実は『オズの魔法使い』が大ヒットした後、ボウムは書き継いで生涯書き続けたのだ。
それを1974から1994年まで、ハヤカワNV文庫で全巻刊行していたのだ。今は初巻を残して絶版だ。
翌日帰宅して『オズの魔法使い』を久しぶりに読む。懐かしさとともに、佐藤高子さんの訳が素晴らしく、思わず感激し読み終わったときに拍手してしまった。

 もちろん児童ファンタジー小説である。アメリカでは子供のころ『オズの魔法使い』を昔は必ず読んだそうである。必読書だったのだ。ところが米国ではない私も講談社少年少女文学全集で小学生のころ読んだ。
 今は、スピンアウト小説『ウイキッド』のブロードウェーミュージカル化、劇団四季での日本上演と『オズの魔法使い』にも注目が集まっている。ハヤカワ文庫でもこの一冊だけは刊行し続けている。

 『ウイキッド』も劇団四季の沼尾みゆきさんが、いい魔女グリンダ役にオーディションから初日の舞台まで取り組む姿が紹介されたNHK教育「あしたをつかめ 平成若者仕事図鑑」が、2007年7月に放映された。しばらくしてから図書館で『ウイキッド』を『オズの魔女記』 グレゴリー・マグワイア著 広本 和枝訳 出版者 大栄出版1996年10月刊で出ているものを借りてきた。
 そうしてぱらぱらと読み始めたら最悪だったのだ。

 『オズの魔法使い』の序文には、
「民話、伝説、神話、おとぎばなしは子供とともに時代を経てきました。」
「子供というものは、奇想天外で」非現実な物語を好むからで「それが彼らの健全かつ本能的な嗜好なのです。」
「 とはいえ、幾世代にもわたって貢献してきた、昔ながらのおとぎばなしも…<過去のもの>になろうとしています」「今やおきまりの魔神や小人や妖精たちを消し去り、個々の物語に含めたおそろしい教訓モラルを強調せんものと著者たちがひねり出す…より新しい<童話>の時代が到来しているからです。現代の教育にはすでに道徳が組み込まれています。したがって、現代の子供は、童話にひたすら娯楽性を求めます。彼らにとっては、わざとらしい不愉快な挿話など、なくてさいわいなのです。
『オズの魔法使い』の物語は、こういったことを念頭に、今日の子供たちを喜ばせることのみを目標として書かれたものです。驚きと喜びはそのままに、心痛と悪夢を取り去った現代版おとぎばなし-それがこの一編なのです。」(ハヤカワ文庫、佐藤高子翻訳)
 
 読んでわかるのは『オズの魔法使い』の、非宗教性だ。アメリカ文学なのだがキリスト教色がかけらもない。この序文で言及されている道徳やモラルもやはりアメリカなのでキリスト教的なものではと思う。それがないのだ。あるのは、ひたすら解放感。子供たちがいかに解き放たれたかよく分かる。私もいつも自由を味わう。

 しかし、『ウイキッド』は読んだ限りでは、著者グレゴリー・マグワイアが、ボウムが入れなかったものに不満を抱いてこのスピンアウトを書いたとしか思えない。
 一面スピンアウト原作にない宗教とその悪意に満ちている。何しろ後の悪い魔女になるエルファバは、教会の家に生まれる。これ自体『オズの魔法使い』の世界では異様だ。そんな宗教や神父などそもそも存在しない世界なのだから。

 なんて暗い嫌な話だろう。エルファバは緑色の皮膚のため差別される。
 オズの国で?動物がしゃべり、かかしが歩き、ブリキの木こりが生きている国で。
 だいたいオズのエメラルドの都の門番も緑っぽい肌色をしている。また、このスピンアウトでエルファバと名付けられた西の悪い魔女の治めるウインキー人たちも黄色い肌なのだ。これはさまざまな人種と出身国のアメリカを理想社会化した世界なのだ。そして明らかに非宗教的な世界なのだ。
 しかもドロシーをずいぶん悪く描いている。
 そのあまりのゆがみに呆れて少しでやめた。

 ミュージカル版は見に行っていないが、これまで流されている広報などで見ると、どうやら原作『ウイキッド』を非宗教化して、魔法大学での友情物語と差別からの逆転に絞って、よりボウムのオズの世界に近づけたものではと推測される。そして悪い魔女とされたエルファバを主人公にして、その強い生きざまをきちんと描いたことがすばらしい。もちろんエルファバがオズの手によって国から悪い魔女とされるのは残っている。
 原作でもオズはペテン師である。本人も自分で「わしはペテン師なんじゃ」とそう誇らかに返答していて行動している。だから、国の支配者として悪いこともする、という感じを残したのだろう。
 元の世界に近づけたからこそヒットしたのだろう。『ウイキッド』原作そのままではとても舞台にはならないと思う。
 子供のころ読まなかった皆さんにもぜひ『オズの魔法使い』を読んでいただきたい。大人にもお勧めなのだと思う

 ところでだ。買った時数えると13冊あった。しばらくしてから気になった。いくらなんでもキリスト教国で13巻でシリーズを終えるだろうか。調べると最終巻の『オズのグリンダ』が無い。確か見かけたように思ったので買い漏らしたのかと思って確かめに行ったが無い。あれれ、表紙まで見たように思ったのに。
 どんな表紙かというと空から輪の中に乗っていい魔女グリンダが降りてくるのだ。気がつくとそれはウイキッドで沼尾みゆきさんが降りてくるシーンそのもので、脳内でそれを思い浮かべてしまいあったと勘違いしたようだ。
 調べるとやはり全巻で14冊。13巻でないというのに宗教性は残っていたか?しかし『オズのグリンダ』だけは、古書市場でも品薄ですごく高い。最終巻まぢかではみんなが買わずよくある話なのだ。しかも刊行までにシリーズ発刊から20年もかかっている。しかし、これは『オズの魔法使い』の次に評価が高いのだ。

 しかたがないので13冊読んだら『オズのグリンダ』を図書館で借りて読もうとしみじみ思っている。

[劇団四季『ウィキッド』プロモーションVTR]

Wicked 人気舞台のウラ側! Part1

Wicked 人気舞台のウラ側! Part2

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【2009/02/02 23:59】 | 奈良たかし・本の話
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 正直海賊対策での自衛艦派遣問題が出てくるまでソマリアの国名しか知らなかった。読まれている方の大方がそうだろう。

日本の2倍の国土面積、840万人の人口。

 実はソマリア政府は崩壊し憲法も廃止され無いのだ。3年連続失敗国家リストの1位である。そしてエチオピアの支援を受けた暫定政府とイスラム勢力「法廷会議」との間の内戦状態にある。混乱状態だけで政府がなく無政府状態である。
 2006年12月末に暫定政府がやっと首都モガシュを制圧したが、対立と内戦は続く。

[ソマリア地図]パブリックドメイン
ソマリア地図 普通なら状況が安定しないのに軍隊を出すことはない。そもそも海賊の問題ではなくソマリアの内政の問題ではないか。
 海賊は始めは、世界有数の漁場であるソマリア領海への違法外国漁船の操業を実力停止させるために、当時の沿岸の漁民たちにより行われた。それが海外船も襲撃できると、ビジネス化してしまったのだ。すべて無政府状態の中の実力行使の中で起こったことだ。

 しかも、こういうなかでアフガニスタンのタリバンに似た形でイスラム原理主義勢力アルシャバーグが台頭してきている。ますます混乱に輪をかけている。

 アルシャバーグは外国軍が制圧しようとすると反撃する。イラクやアフガニスタンで繰り返してきたことが起こるのだ。日本もその泥沼の紛争に巻き込まれたいのだろうか。内戦無政府状態の中で海賊が起こっているからといって、先進国が安定化に協力したり働きかけることもなく、軍隊で攻めよせて介入しようとしているのだ。

 陸上派遣ができないから、アメリカ、イギリス、ロシア、中国、インドが海軍を派遣、それでは根本的な解決にならないことが分かっているが海上に派遣しているという形だ。

 私たち日本は、カンボジアの内戦がほぼ終結した時に、政府が自衛隊をPKOとして派遣して、復興と安定に協力した。それは高い評価を受けた。それを忘れたのだろうか。

 ブッシュ政権時代に国連安全保障理事会は、国連PKO平和維持軍派遣が盛り込まれた決議をしているが、混乱状態で手がつけられない。潘基文国連事務総長は「維持すべき平和がない」と発言している。

 赤星慶治海上幕僚長は、
「海上自衛隊発足以来、海賊というものに対する議論、検討、教育は一切ないので、現時点ではどういう状況になるか想像がつかない」と疑念を表明している。

 あまりにこういう中で適当に出そうというのは危険ではないか。しかも日本は各湾岸諸国とずっと平和的関係を維持している唯一の国なのだ。それが大きく傷つく。

 サウジアラビアが仲介に入ろうという動きがあるので、それに協力したほうがいいと思う。内戦をやめさせ和解し内政問題として海賊をやめるように生活援助する。内戦が終わらないとどうしようもない。

 しかも、下記のように紛争が多発している。日本が紛争の当事国となるのは必至だ。


wikipedia「ソマリア沖の海賊」「各国海軍と海賊との海戦」から
http://ja.wikipedia.org/wiki/
%E3%82%BD%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%82%A2%E6%B2%96%E3%81%AE%E6%B5%B7%E8%B3%8A


 2006年3月18日、アメリカ海軍のタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦「ケープ・セント・ジョージ」、及びアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦「ゴンザレス」の2隻がソマリア沖で海賊と交戦する事件が発生した。2隻のアメリカ軍艦は海賊との銃撃戦を約25海里に渡って行った結果、海賊1名が死亡し、5名が負傷したと報告された。

2008年11月11日にはイギリス海軍の22型フリゲート「カンバーランド」、及びロシア海軍ネウストラシムイ級フリゲート「ネウストラシムイ」の艦載ヘリコプターが海賊に襲われた貨物船の救助に駆けつけ、イギリス海兵隊が海賊と交戦する事件が発生した。(詳細は2008年11月11日の活動を参照)

2008年11月18日にはインド海軍のタルワー級フリゲート「タバール」がオマーンの沖合約530km地点で不審な船団を発見。海賊の母船の特徴と合致していたことから臨検のための停船を呼びかけたところ船団がそれを拒否、フリゲートに向け発砲してきたため主砲により反撃して撃沈する事件が発生した。しかし同26日、国際海事局はインド海軍が「海賊船」だとして撃沈した船が、海賊に乗っ取られたタイの水産会社に所属するトロール漁船であると発表した。この件についてインド海軍は事件の写真を公開し、相手が攻撃してきたため応戦したのであり、正当防衛であったと主張している。国際海事局は、インド海軍がこのタイ漁船がハイジャックされていると言う情報を受け取って居なかった可能性もあるとコメントしている。この漁船に乗り組んでいたカンボジア人1人が救助され、タイ人1人が死亡、14人が行方不明になっている。

2008年12月13日、インド海軍のデリー級駆逐艦「マイソール(Mysore)」は、イエメンの沖合約280kmのアデン湾上でエチオピアの貨物船から「2~3隻の高速艇に乗った海賊から攻撃を受けている」との救難信号を受信した。マイソールは即座に海兵を乗せたヘリコプターを現場に急行させ海賊船を攻撃したところ、海賊は貨物船の襲撃をやめ逃走。マイソールとヘリコプターは追跡を続け2隻の高速艇に乗り込みこれを制圧、これによりインド海軍はソマリア人12人とイエメン人11人からなる23人の海賊を逮捕・拘束し、7丁のAK-47アサルトライフルに装填済の弾倉13個に加えRPG-7対戦車ロケット擲弾筒1基、さらにGPS装置やボート用の船外機などが押収された。23人の海賊は平和的に投降したという。

2008年12月25日イエメン沖でエジプトの貨物船がソマリアの海賊に襲撃された。ドイツ海軍が救難信号を受けてフリゲートから哨戒ヘリを発進させて、海賊を撃退した。この事件で、エジプト貨物船の乗組員1人が負傷した。

2009年1月13日、ロシア海軍の大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラドフ」は、アデン湾を航行中のオランダのコンテナ船「ネドモルド・バレンス」から「海賊の3隻の高速艇が船尾から接近しており、小型武器による攻撃を受けている」との救難信号を受信した。アドミラル・ヴィノグラドフはヘリコプターを現場に急行させ、海賊船を威嚇射撃したところ、1隻の海賊艇はイエメン領海に逃げ込んだが、あとの2隻はアドミラル・ヴィノグラドフの臨検グループにより制圧、海賊を拘束した。海賊3名がロシア海軍の銃撃により負傷した。海賊は麻薬中毒と診断され、イエメン沿岸警備隊に引き渡された。アドミラル・ヴィノグラドフは、1月11日、警備艦「ネウストラシムイ」からアデン湾における任務を引き継いでいた(しかしCNNは、1月15日配信のニュースで、「ロシア軍は高速艇を追跡したが、振り切られた」とだけ報じ、2隻を拘束した事を無視した)。




2009.2.1TBS「サンデーモーニング」を参照

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【2009/02/01 16:32】 | 戦争と平和
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[2/9追記] 末尾の、堤未果さんのコラム内容は、海賊についてはあまりに違うことがわかった。海賊の状態はここに新しく書いた。ただし、このエントリの内容は相変わらず基本的には変わらないので残すことにした。
http://isiki21.blog45.fc2.com/blog-entry-155.html




 ソマリアの海賊対策に自衛隊戦艦を派遣して海賊船を停止させるための船体射撃への武器使用を認めると自民党・公明党の与党プロジェクトチームが合意した。警察活動での武器使用は武力行使ではないという理屈だ。
 海外に行って船や人に危害を加える、射撃するのなら、私たちが戦後歩んできた平和日本の道を根底からひっくり返すことだ。しかし、なぜ海賊被害が多発するのか、よく考えるべきだ。
 末尾引用のように、廃棄物による薬品被害のせいで海賊になったという情報もある。そうなのだ。私たちは何も調べていない。

 もし、人が死んだり船が沈んだりしたら私たちは中東での信頼を失い、敵になってしまう。アメリカと同じように世界から孤立したいのか。なんという稚拙な、拙速な決定だろう。

 自民党は過去から、海上警察行動のための海上保安庁の巡視船に機関砲を設置したのを皮切りに、巡視船を重武装化してきた。武力行使ではないという口実のためである。

 92~93年には、再処理済みプルトニウムをフランスから日本まで海上運搬輸送警備に、巡視船「しきしま」をわざわざ建造、対テロ特殊部隊まで設立した。この「しきしま」という船、排水量6500トン、大小4基6門の機関砲で武装し、大型ヘリを2機搭載し、通常の巡視船には必要ない対空レーダーまで装備している。巡視船としては排水量世界一、武装も日本の巡視船の中では一番という船まで作った。

 2001年の20ミリ機関砲射撃による不審船撃沈を受けて、2002年8月には、重武装の新型巡視船3隻建造を決定。長さ約95メートル、約1、800トン。動く目標でも正確な射撃が可能な自動照準式の40ミリ機関砲(射程5キロ以上)や、夜間でも不審船を捕捉できる赤外線監視装置などを搭載する。速度は、通常の巡視船より速い30ノット(時速約56キロ)以上。不審船の追跡を支援するため、後甲板にヘリコプターが発着できるスペースまで設けた。

 そしていよいよ自衛官に逮捕権限がないため海上保安庁の海上保安官を乗船させて、自衛艦船による警察行動という言い訳を作って派遣する。
 武器使用したいがためにだけ急いで艦船を派遣しようとしているとしか思えない。自衛艦が射撃しておいて、いや警察行動で武力行使ではないと、民衆に通ると思っているのだろうか。世界は与党の慰みのためにあるわけではない。心から軽蔑する。
 そんなくらいなら自衛隊が戦艦で行かずに、ソマリアに救援に行ったほうがいい。それが求められていると思うのだ。

東京新聞」2009年1月19日『本音のコラム』より

海賊の正体  堤未果

 ソマリア海域の海賊事件が急増し、国際海事局が各国に協力を呼びかけている。海上自衛隊派遣の議論が高まる中でふと思う。そもそもこの「海賊」は何者なのだろう?

 UNEP(国連環境計画)の職員ニック・ナトール氏は英紙のインタビューで、1990年代初めに欧米の大企業がソマリアの政治家・軍幹部と交わした廃棄物投棄協定について指摘する。

 内容はそれらの企業が今後ソマリア地域沿岸に産業廃棄物を投棄することを認めるというものでだ。その後、放射性物質に汚染された地域住民数万人が発病。国連が調査した結果、有害化学物質によるものであることが明らかになった。海域を汚染する外国企業に生活手段を奪われ、いくら訴えても動かない国連に見切りをつけたソマリア漁民は自ら武器をとり、やがては「海賊」と呼ばれるようになったという。

 別な立場の人々に目線を合わせる事は、時にもっと大きな敵の存在に気づかせる。あるイラク帰還兵は私に言った。「本当のテロリストは誰なんだ?」と。

 現実に起きている惨事への対応は待ったなしだ。そこに至る状況を作り出してきた時系列での丁寧な検証は、毎日各地で罪のない人々の血を流し続ける紛争の類似性と、欲望が作り出すもう一つの世界地図を浮かび上がらせるだろう。真の歴史教育が変革を後押しする。(ジャーナリスト)


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【2009/02/01 00:01】 | 戦争と平和
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