1月8日に、ネグロポンテ米国国務副長官が、中国首脳と話してその内容を記者会見で中国側の話を自ら広報。
 会談した中国政府幹部が「保有する米国債の問題について中国はとても責任ある態度で対応してきた」と述べたことを明らかにした。そのうえで「中国は信頼できるパートナーと見なされたいと思っているだろう」とも指摘した。
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/
20090108AT2M0802008012009.html


 ところで、これが本当なら、相変わらず米ドルの基軸通貨の位置を中国が支援するということになる。
 私はてっきり、米ドルに円や元、ユーロやポンド、ルピーなど入れたバスケット通貨制に移行すると信じてきた。
 でもこれは、同日のオバマ次期アメリカ大統領の経済政策発表とリンクして、米ドルの安定と財政赤字がこれまでと同様にスムーズに処理されることを世界にアピールする。新経済政策発表によりいやおうなく発生する財政の巨大赤字について、安心させるための工作だったと思う。
 確かに中国は、リーマンブラザース破綻、AIG事実上の国有化に始まる世界金融危機第2幕の後も順当に米政府国債をそのときの世界一の規模で買い続けている。金融危機でのアメリカ破綻の様子もあり、売り払うと思っていた世界の思惑はみごとはずれた。
米国財務省「対米証券投資状況」(TIC)米国債保有額 2008年10月末及び9月末
     10月     9月
中国 6529億ドル 5850億ドル

日本 5855億ドル 5732億ドル

英国 3602億ドル 3384億ドル

中国は10月も世界でもっとも米国債を購入した。「環球時報」などによると、中国当局が17日、米国に対して「タイミングよく必要な経済改革を行わないならば、米国債の購入を停止する可能性がある」と警告した、のにもかかわらずだ。

 中国は、対立する形の超大国にはならないのだろうか。

 と、いうのはオバマが昨日8日に発表した経済政策もかなり背伸びをしていると思うからである。

毎日新聞
http://mainichi.jp/select/world/presidential/
news/20090109k0000e030046000c.html?inb=yt



オバマ次期大統領:総合経済対策示す 総額70兆円規模

 【フェアファクス(米バージニア州)及川正也】オバマ次期米大統領は8日の演説で、300万人超の雇用確保・創出を目指す総合経済対策の概要を明らかにした。今後3年で太陽光や風力など代替エネルギー生産を倍増するなど戦略的な公共投資を実施する一方、中間層向けに1世帯当たり1000ドル(約9万1000円)の減税措置を講じる。オバマ氏は米議会に早期可決を求めたが、民主党内にも減税効果を疑問視する意見が出ており、調整が難航する可能性もある。

 総額は8000億ドル(約70兆円)規模に上る見通し。20日のオバマ大統領就任を踏まえ、民主党は2月中旬までの議会通過を目指すが、共和党はすでに約1.2兆ドルと予測されている09年会計年度の財政赤字をさらに膨らませることになるだけに、投資内容を厳密にチェックする方針だ。

 オバマ氏は演説でエネルギーや教育、医療などに最優先に投資すると強調。「クリーン・エネルギー経済の創出の口火になる」として、太陽電池パネルや風力発電所建設などで今後3年で代替エネルギーを倍増させると表明。さらに75%超の連邦政府ビルの近代化と住宅200万戸の省エネ化、低燃費車製造の推進を訴えた。

 このほか(1)医療費削減に向け5年以内の医療カルテの電算化(2)数万校の学校、地域短大、公立大学のハイテク化(3)道路や橋、学校の補修(4)停電や破壊に強い電力供給網整備(5)ブロードバンド(高速・大容量インターネット)の全米普及(6)失業保険の給付期間延長(7)財政難の州政府への支援--などの実施を明らかにした。

 大統領選時に公約とした「95%の勤労世帯への減税」も盛り込んだ。総額は約1500億ドルで減税総額約3000億ドルの半分を占める。ただ、民主党内には新規雇用した中小企業に対する減税措置について「雇用促進にはつながらない」など反対論も出ている。

 ◆オバマ次期大統領の演説骨子は以下の通り。

 一、今後3年で代替エネルギー生産を倍増。

 一、連邦政府庁舎の75%以上を近代化、200万世帯の一般住宅のエネルギー効率改善。数十億ドルのエネルギー代を節約する。

 一、5年以内に医療カルテの電算化。その投資を即時実施。

 一、学校、公立大の施設をハイテク化。

 一、ブロードバンドの全米普及。ネット接続で地方の零細企業の世界との競合を図る。

 一、科学研究開発への投資。



 アメリカ財政赤字は、09会計年度(08年10月~09年9月)では、このオバマ次期政権の経済対策を除いても、すでに1.2兆ドル(約110兆円)に達するとの試算が発表されているのだ。オバマは財政赤字は94兆円だと発表している。いずれにしても、164兆円~180兆円の巨額に達する。それなのに減税する。しかもアフガニスタンに集中するとはいえ戦争はまだまだ続けるというのだ。
 その分の米国債をどこが買ってくれるのか。このままでは中国と日本だということになるのだろうか。冗談じゃないという感じがする。
 冒頭のネグロポンテ米国国務副長官の話も中国政府への米国債を買えというアピールに聞こえる。

 たとえオバマの経済対策が実施されても、急速な経済回復は見込めず、こんな財政赤字の急増は米国債やドルの信認低下につながり、長期金利の高騰やドル暴落が起こる可能性が高く、米国経済に再び大きな打撃となり、世界経済はいっそう混乱する。そして、日本も中国も大きな痛手を被る。

 中国、日本はアメリカ市場の過剰消費をあてにせず、内需振興を続けアジアとヨーロッパ中心にぼちぼちと貿易を続ける。もちろん、今までのような急速な高度成長は望めないだろう。しかし、自国と共に世界を富ますというのが本来の自由貿易の目的でありその基本を守る。

 私たちは、身の丈にあった経済を考え、アメリカにも無理をさせず、日本や中国も米国債のこれ以上の急速な買い増しをせず、世界の多極化にあった経済を考えるときに来ているのではないか。そうしみじみ思うのです。

FC2blog テーマ:アメリカ合衆国 - ジャンル:政治・経済

【2009/01/09 00:32】 | 政治・経済
トラックバック(0) |  ]