大原麗子
 大原麗子さんが孤独に亡くなり、2週間後に発見された。しかも死ぬのが早い。62歳での孤独死。親族が連絡が取れないので心配して依頼した警官に8月6日発見されたのだ。こんな形で彼女の死を聞くとはとても信じられない。

 大原麗子さんは若い頃から魅力に満ちた女優で、「好感度No.1女優」に選ばれた。中年になっても新たな引きつけるような力を増したすごい女優だった。サントリーレッドのテレビCMを覚えている方も多いだろう。「すこし愛して、なが~く愛して」というその甘い声に魅せられた。

 私が忘れられないのは、1998年NHK大河ドラマ「徳川慶喜」で、新門辰五郎の妻役れんで、ナレーションも担当して、気っぷのいい砕けた江戸弁を交えたナレーションにも魅せられた。

 その彼女をほとんど引退状態に落ち込ませたのが難病のギランバレー症候群だ。

 wikipediaによると、「1999年から2000年にかけてギラン・バレー症候群の治療のため芸能活動を一時休止。所属事務所は長年に渡りオフィス・アールであったが、晩年はワンポイントに属していた。

2008年11月11日、自宅ガレージで足元がふらつき転倒。右手首を骨折し、ひざを打撲する重傷を負った。」これも、「ギラン・バレー症候群の影響でバランスを崩したものとみられる。」

 これほどの女優を襲ったギラン・バレー症候群とは、神経を阻害する病気で、主に手足の運動神経が冒され、手足に力が入らなくなるというひどい病気なのだ。

 これは実は人事ではないので書いておく。問題はインフルエンザワクチンで、ギランバレー症候群には百万人当たり1人か2人感染するのだ。ところがアメリカでは、1976年に百万人当たり10人感染するという不純ワクチンが投与され大量のギラン・バレー症候群に感染する人が出た。

 豚インフルエンザはその毒性の弱さが知られてきた。かかって危ないのは体力が病気などで落ちている「コントロールされてない小児喘息、免疫抑制剤・抗ガン剤使用者、糖尿病で合併症を保有している人、慢性心疾患・肺疾患保有者、妊婦」以外は重傷にならず、豚インフルエンザは、健康体では毒性は季節性インフルエンザより弱い。ギリシャ、イスラエルでは全国民投与が実行された。アメリカのやるように日本は実行するだろうが、全国民投与など意味がない。

 大原麗子さんの死を見ていて、私もギラン・バレー症候群がとても怖くなった。どう見ても薬品会社の利益のためにされているとしか思えない今回のワクチン国民投与など止めるべきだと思う。

 私の敬愛する女優であった大原麗子さんの死を心から悼む。そして彼女を倒したギラン・バレー症候群を憎む。そして、今は彼女の安らかな眠りを望むばかりだ。

新型インフルエンザA(H1N1)に対するワクチン(WHO 翻訳:感染症研究所)

「アメリカ合衆国で経験された1976年の豚インフルワクチンによる合併症(ギランバレー症候群)を繰り返すことは、どのようにして避けられるのですか?」

http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/
influenza/2009/06/0602-01.html


ギランバレー症候群は、神経系における急性の疾患です。インフルエンザを含む様々な感染症のあとでみられます。研究によると、毎年の季節性インフルエンザワクチンは、100万接種あたり一人から二人の割合でギランバレー症候群のリスクを増すことが示唆されています。1976年のインフルエンザワクチン接種キャンペーンの間、このリスクが100万接種あたり10人程度に増し、ワクチンが回収されるまでに至りました。

インフルエンザA(H1N1)ワクチンは、確立された基準によって製造される予定です。しかしながら、それらは新しい製品であるためにヒトに対してわずかに異なった反応を起こす危険性をはらんでいます。ワクチン接種後の全ての重篤な副反応の綿密な監視と調査が必要不可欠です。安全性を監視するシステムは、新しいパンデミックインフルエンザワクチンの実施において、なくてはならない戦略です。 インフルエンザワクチンの製造における質のコントロールは、1970年代より確実に改善しています。


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【2009/08/07 01:05】 | 病気流行、パンデミック
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Re: 有益な情報を有り難うございます。
奈良たかし
> 貴ブログにより、インフルエンザ予防接種とギランバレー症候群の関係を初めて知り、私も「大原麗子さんとギランバレーとインフルエンザ予防注射 」http://blogs.yahoo.co.jp/bontaka1/5257720.html
> を書かせていただきました。
Bontaka 様
 どうも、ありがとうございます。「有益な情報を」というのは、ブロガーにとって最高のほめる言葉だと思います。うれしいです。ミニブロガーですが、これからも努力したいと思います。

有益な情報を有り難うございます。
Bontaka
貴ブログにより、インフルエンザ予防接種とギランバレー症候群の関係を初めて知り、私も「大原麗子さんとギランバレーとインフルエンザ予防注射 」http://blogs.yahoo.co.jp/bontaka1/5257720.html
を書かせていただきました。有り難うございます。

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 遅ればせながら奈良市でも新型インフルエンザの感染者が確認されました。20代の女性です。
 とっくの昔に蔓延していて、感染者は一般化して多かったとは思うのですが。うっかりとウイルスのDNA検査に引っかかったようで。

 あわてて生徒を返してしまった学校もあったようで。そんなことしてなんになるのか。何と意味のないことをするのか。

 知り合いは、働きに行けなくなると保育所が休みにならないか怯えています。人が集まる集客施設や食品を扱う市場などの公共施設ではアルコール消毒液など用意し始めたようです。

 とりあえず役所関係の広報と報道資料です。報道資料が読みにくい、役所文書丸出しです。

 なお、これ以外に、感染した方は家事手伝いで勤務していないことがわかりました。また学校にもまるで関係がない。

 渡航歴もなく、両親、祖父母との5人暮らしで13日に自宅近くのスーパーに母親と自家用車で買い物に行った以外に遠出などはしておらず、家族にも発熱などの症状は見られない。どこで感染したのか謎です。しかし、近所におけいこ事には通っていたそうなのです。
 つまりは、感染経路などたどれないくらいに、ごく周囲に普通に大流行しているということでは。

奈良市役所WEB広報
新型インフルエンザ患者の発生について

http://www.city.nara.nara.jp/icity/browser?ActionCode=
content&ContentID=1245119458681&SiteID=
0000000000000&ParentGenre=1240821412034


平成21年6月16日(火曜)
奈良市新型インフルエンザ対策本部

 本日(6月16日)、奈良市保健所管内において、20代女性が新型インフルエンザに感染していることが確認されました。
 
 現在、患者さんは入院され、治療に専念していただいております。また、濃厚接触者につきましては健康監察を行っております。

 今回の新型インフルエンザは、早期に適切な治療を受けることで、多くの方は順調に回復されております。
 市民の皆様には、引き続き、手洗いやうがい、人ごみの中でのマスクの着用といった自らの予防策を実施していただき、正確な情報に基づく冷静な対応をお願いいたします。

 今回の事例は、発生した患者が児童・生徒等以外であることから、当面の対応方針は次のとおりとします。


学校、幼稚園、保育所、高齢者通所施設などの休業等の措置については、当面要請しないこととし、今後の推移を見て対応することとします。


公立施設の休業要請、イベント・行事等の自粛についても、現時点では、要請する段階ではないと考えます。
 今後、奈良市では、奈良県や関係機関と連携しながら、状況の把握を急ぐとともに、市民の皆様の健康を守るため、感染の拡大防止に努めてまいります。
 
 なお、発熱や咳、鼻水など、インフルエンザのような症状が見られた場合には、直接医療機関に行かれる前に、まず、発熱相談センターに、電話でご相談くださいますよう重ねてお願い申し上げます。


報道資料

新型インフルエンザ患者の発生について(第一報)


奈良県健康安全局 畑中、小山
奈良市保健所  前田予防課長


http://www.city.nara.nara.jp/www/contents/
1245119458681/files/influ_01.pdf


 本日午後、奈良県内において新型インフルエンザの患者が確認されましたので以下のとおり概要をお知らせします。

1 発生例 奈良市在住 20代女性

2 経緯  
  患者は6月14日(日)から咽頭痛があり、6月15日(月)に39゜Cの発熱があったため、一般医療機関を受診。インフルエンザ簡易検査の結果がA型陽性であったため、奈良県保健環境研究センターにおいてPRC検査を行ったところ、本日午後0時45分に新型インフルエンザ(A/H1N1)に感染していることが確認された。

3 現在の患者の状態
  昨日よりタミフルを服用中、今朝の体温36.8゜C、咳は軽度。現在容態は落ち着いている。
 奈良県立大学付属病院感染症センターに入院。

4 積極的疫学調査
  現在のところ、家族に発熱者はいない。接触状況の詳細については調査中。家族については自宅待機中、健康観察中。


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【2009/06/17 01:10】 | 病気流行、パンデミック
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 フェーズ6になったが、もはやだれも驚かないし、エントリにすらしないので私がしておく。弱毒性だし、日本国内は蔓延しているのに、情報が伝わらない。それは極端に、問診で絞り簡易検査で絞り込み実際のウイルスのDNA検査を抑えている。これではわからないわけだ。仮に蔓延していても季節性インフルエンザと何も変わらないのだからフェーズ5や6であっても何も怖くないのだ。というか他の先進国と一緒になった。

 ただし、問題は先進国で影響は軽くても、これから冬季に入る南半球の国の内で途上国は、実際の被害は大きくなる可能性がある。スペイン風邪も当時の世界人口は18億人、感染者は6億人、死者は5000万人と言われている。途上国の人口は現在52億人であり、もちろん同様の割合でなら死亡者は1億4千万人となるが、一定の医療水準はあるのでそこまでは被害が広がらない国も多いだろう。しかし、医療の貧困な国もまだまだ多い。メキシコでも高額なので実際の感染者は発表よりも数十倍と言われた。そのために途上国に対しては心配されている。
 WHOは、「6に上げたのは、途上国を含め世界が連帯して感染拡大を防ぐべきだという国際社会へのシグナルだ」と述べている。

 それに、数ヵ月後には、より毒性の高い第二波が襲うのは間違いない。
 
 いぜん、インフルエンザなどの対応のため厚労省を分割すべきだと書いたが、もう少し踏み込んでおきたい。舛添厚労相や、厚労省幹部が役にも立たないパフォーマンスのために水際作戦を行い莫大な無駄金が使われた。
 また舛添大臣が深夜あおったため国民に不安感ばかり広がった。

 こういうことを防ぎ、毒性の高い第二波に最適な対処を取り、途上国も応援したい。そのために、新型インフルエンザ責任官庁と責任者を明確にして専門職による対策をきちんと構築して実行する必要がある。
 その実現のために、国立感染研究所と本省の感染症対策の部門を分離して合わせて米国疾病予防管理センター (CDC) をモデルに日本版CDCを設立するよう提言する。

 なお、役に立たない幹部は本省で転勤してもらい、トップは岡田晴恵、実行部隊長兼報道官となる審議官は木村盛世さんを推薦する。

新型インフルエンザ:「警戒度6」でWHO局長、途上国支援呼びかけ
 【ジュネーブ澤田克己】新型インフルエンザの警戒度を現行の「フェーズ5」から、世界的大流行(パンデミック)を意味する「6」へ引き上げた世界保健機関(WHO)は11日、「第2の感染の波に備えるべきだ」(マーガレット・チャン事務局長)と警告するとともに、途上国への支援を呼び掛けた。

 チャン事務局長は11日の会見で、「ウイルスは医療体制が貧しい地域で広がっている」と、新型インフルエンザが途上国で重症化している点に憂慮を示したうえで、「6に上げたのは、途上国を含め世界が連帯して感染拡大を防ぐべきだという国際社会へのシグナルだ」と述べた。

 さらに各国に感染への監視を求め、感染がピークに達した国にも「第2の波」への警戒を要求。事務局長は「いくつかの国では感染者の2%程度が重症」としたが「今のところ死者数は少なく、重症者や死者が急増することはない」と予測した。

 ワクチンについては、季節性インフルエンザのワクチン生産は間もなく終わると想定、「生産容量全体が新型インフルエンザにあてられるだろう」との見方を示した。

==============

 ◇WHO事務局長声明(要旨)
 新型インフルエンザの世界的大流行(パンデミック)宣言に関するマーガレット・チャンWHO事務局長の声明要旨は以下の通り。

 これまで74カ国で3万人近い感染者が確認された。人-人間の感染の広がりが追跡不可能な国もあり、今後のさらなる感染拡大は避けられない。パンデミックの科学的基準が満たされ、「フェーズ5」から「6」へと引き上げることを決断した。

 パンデミックの初期段階にある。重症度は中等度であると予想されるが、各国によってその程度は異なる。

 今のところ死者数は少ない。これから重症者や死者数が急増することはないだろう。

 ウイルスは若い人に感染しやすく、大半は25歳未満だ。いくつかの国の例では感染者の2%程度が重症で、しばしば致死性の肺炎を伴う。重症者の多くは、ぜんそくや心臓病、糖尿病などの慢性疾患、肥満を抱えていた。

 感染のピークを過ぎた国は「第2の波」に備えるべきだ。まだ広がっていない国は監視強化に努めてほしい。WHOは引き続き渡航の規制や国境封鎖をしないよう求める。ウイルスは医療体制が貧しい地域で広がっている。

 季節性インフルエンザのワクチン生産は間もなく終わり、生産容量全体が新型インフルエンザにあてられるだろう。
毎日新聞 2009年6月12日 東京夕刊


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【2009/06/13 23:55】 | 病気流行、パンデミック
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 一昨日27日に書いた、木村盛世検疫技官の政府参考人招致は、民主党の鈴木寛議員のがんばりで理事会で招致が決定し、昨日28日に参議院予算委員会で国立感染症研究所の森兼啓太主任研究官と木村盛世検疫技官の政府参考人による質疑が行われた。

 森兼主任研究官は「検疫は、有症状者を見つけることに関しては当然ながら有効」とする一方、「それに要する人手と、お金、時間、手間、そういったところのバランスというところではないか」とした。実際の対応については、成田空港の「水際対策」で日本最初の感染者が4人確認された際に、「皆さん、わたしも含めてそちらの方に目が向いてしまって、国内の態勢がワンテンポ遅れた」と指摘。

「これは大きな教訓として、第2波以降に備えるべきだと思う。国内の対策も水際対策も、両方とも大事」と強調した。検疫縮小のタイミングについては、「国内例が見つかって最初(の16日)から48時間ぐらいで150人ぐらいの患者が検知された。国内でも既に流行しているということが分かった。

この時点で国内の検疫体制を速やかに縮小すべきだったと思う」と述べた。これに関しては、19日に舛添要一厚労相に機内検疫をやめて有症状者のスクリーニングに切り替えるよう提言したといい、3日後の22日に対処方針を改めて機内検疫を中止したことについて、「こういったスピード感を持った対策は非常に良かった」と評価した。

 一方、木村厚生労働省技官は「現場としては(検疫態勢は)大して変わっていない。今もかなりの労力をかけて検疫を行っている最中。そういう意味では人的にもかなりの負担を強いられている状況」と説明。

「検疫偏重」となった理由として、「毎日毎日、マスクを着けて検疫官が飛び回っている姿は、国民に対してアイキャッチ。パフォーマンス的な共感を呼ぶ。そういうことで利用されたのではないか」

「検疫では国が主体となる検疫法に基づいて動くが、国内に入ると感染症法で、地方自治体の主導になる。感染症法という“国内お任せ”をある意味、想定外とした厚労省の考え方があったのではないか」

「医系技官の中で、十分な議論がされないまま、十分な情報の見直し、収集がされないまま、このような検疫偏重が起こったのではないか」の3点を挙げた。



[質疑内容] 2009/05/28 18:13 キャリアブレイン「検疫偏重」で議論―参院予算委から(BY「晴天とら日和」)

 木村盛世技官の言われるとおり、膨大な費用と人員と手間をかけた水際作戦は一体何なのか、何の役に立ったのか、その反省が出てこない。

 国立感染症研究所の森兼啓太主任研究官の言葉は異様なよいしょぶりである。まあ、そのよいしょのために出てきているということはあるのだが、木村技官による、現在も検疫体制が変わっていないというのは気になるところだ。ブレーキが効かないのだろうか。機内検疫をやめただけになっているのだろうか。

 今回は政治家のパフォーマンスがなぜ出てきたのかも気になる。厚労省があまりに巨大になりすぎ政治家である舛添大臣は対応できず、そのためにパフォーマンスしかできなくなったという見解がある。的を得ていると思う。

 そうならば今回の厚労省二分割も非常にだいじなことではなかったか。それが文部省の幼稚園行政を取り上げ、幼保一元化を厚労省を分割した国民生活省で少子化・児童局新設で行うことへの反対で厚労省分割が中止になったのは何ともお粗末ではないか。麻生総理は分割を命じてないと逃げるばかりでおよそ総理の役目を果たしていない。幼保一元化は棚上げにして橋本政権の中央省庁再編の一部失敗を認めて、厚生労働省の分割を行えばいいのだ。それが総理大臣の役目でリーダーシップだろう。

 毒性を強めた第2波の時はどうするか今から議論と検討を行うべきだと思う。こんな森兼研究官の言葉で終わっては困る。おそらく水際作戦は2波でも役立たない。蔓延が予想されるのだ。もはやかなり大流行することを前提にPCR遺伝子検査をしっかりとやれる体制を整え、国民ができることを宣伝する。重篤になった人の治療体制を整える。それしかないと思う。
 それには今起こっている事実を見つめることだ。

 実は木村盛世技官がホームページか、ブログに何か書かれるのを待っていたが、待ちくたびれたので参考になることを書かれたら後日報告したい。

 それともう一つ、木村盛世技官インタビュー記事

●ロハス・メディカル(2009年5月 1日 18:37)
新型インフルエンザ、水際封じ込めはナンセンス(BY「晴天とら日和」)

――『厚生労働省崩壊』(講談社)というショッキングな題名の本を、現役厚生官僚・医系技官の実名で出版されましたね。なぜですか。
厚生労働省が危機的な状況だからです。広く議論していただくために、自分の専門的立場から提言したかったのであって、暴露本を書いたつもりはありません。実名でないと意味がないし、辞めてから言っても意味がないと思いました。何が危機的かといえば、今回の新型インフルエンザへの対応ひとつとっても実にお粗末です。インフルエンザの疑いだけでギャンギャンやっているけど、もっと危険な感染症やバイオテロに襲われたらどうするのかという思いもありますし、『JAPAIN』と書かれてしまう位に日本の国際的な存在感が低下しているのに日本人があまり危機意識を持っていないようにも見えました。

 ――お粗末ですか。
厚生労働省が言っているのは、検疫による水際での封じ込め、ワクチン、タミフルの3点セットですよね。でも、こんなの新型インフルエンザに対してはナンセンスです。特に問題が大きいのは検疫です。症状だけでは、普通の風邪や既存のインフルエンザと見分けがつきませんし、10日間の潜伏期間もあります。それから、簡易キットによるスクリーニングが100%の精度であるはずありません。過去のインフルエンザの例を見ても、学校の閉鎖や空港の閉鎖なども成功した試しがないんです。日本に入っちゃうと思った方がいいし、入っちゃったら間違いなく広がります。幸いに今回のウイルスは弱毒性のようですから、やるべきことは既存のインフルエンザとそんなに変わらないですよ。

インフルエンザワクチンは効果がそもそも不明です。昔、日本で小さなスタディがあって、ワクチンを打った群と打たない群とを比較したら打った群の方が発症率は低かったというのですけれど、よくよく調べてみたら、そもそもワクチンを打たない群というのは、元々体調が悪かったとか体力がなかったとかで打てなかっただけだったんですね。要するにワクチンが有効という大きなエビデンスはありません。それよりは、感染される側の体力の方が大切です。

タミフルについては今回のウイルスに効くかどうか分かりませんし、既に日本は使いすぎて耐性を獲得したウイルスもある位なので、濫用せず本当に使う必要がある時に留めるべきでしょう。あまり頼りすぎない方がよい。

 ――なぜそんなものを前面に押し出しているんでしょう。
専門家がいないからでしょうね。WHOもフェーズ3から4に上げる時、封じ込めに努力せよなんて言ってません。それなのに封じ込めできると言っているのは、国民を欺く行為です。もし彼ら自身が本気で可能だと思っているのだとしたらあまりに宗教的だし、頭に何か新種のウイルス感染でも起こしているのでないかと心配になりますよ。

現実的な解釈はこうです。そもそも日本の病院は感染症に対応するようにできていません。今回の疑い患者が収容された横浜市民病院も360万都市なのに陰圧室が2床しかないですよね。アメリカの試算では、新型インフルエンザに対応する能力を病院に持たせようと思ったら1病院あたり1億円かかります。病院経営がどこでも悪化している中、それだけのお金が出てくるはずもありません。

それから、重症患者にあたるには、一般内科医や皮膚科医、精神科医などでは無理で、呼吸器科の医師、挿管できる救急医、感染制御の知識を持った医師が必要ですけど、ただでさえ医師不足なのに、どこにそれだけのドクターがいますか。ナースの人手も全然足りません。ハコもヒトもカネもない、どうやったら対応できるんだという議論をしないといけないはずなんですけれど、その議論を避けたいから100%水際で止めるんだと言っているんでないかと感じます。

もう一つは法律の問題もあります。海外から国内へ入ってくるものを止める検疫法は厚労省の直接管轄ですけれど、国内で発生してしまった後の感染症法は主体が地方自治体になります。厚労省は「やれ」とだけ言えばいい。今回の疑い患者の例に関しても、厚労省は横浜市からきちんと連絡が来ないという言い方をしてますでしょう。いちど入ってきてしまったら、後は厚労省が責任を負わないで済むんです。だから検疫、ワクチン、タミフルという効果のないものでごまかしているんではないでしょうか。

 ――そう言われると、なるほどと思いますね。
今回はたまたま弱毒性のインフルエンザだったからいいですけれど、この体制の不備を突かれてバイオテロなんかやられたら日本は崩壊しますよ。私はずっとこの問題を言い続けています。

今は、厚労省の結核感染症対策課も不眠不休で対応に追われて疲弊していると思います。ただ、そもそもが机上の空論。現在の日本は、天然痘のように封じ込めできる疾患と、インフルエンザのように封じ込めできない疾患の区別すらついていません。それで、お金かけても仕方ないところにお金かけてます。発見率の極めて低いサーモの機械は1台300万円しますし、これを見るための検疫官を他の省庁からも借りてまで増やす、そんな無駄なことに税金を使っています。

それよりは、医療センターや国立病院の空いている敷地にプレハブを建てて、JICAの感染症専門の医師たちに専門外来をさせればいいのでないかと提案を上げました。公務員と準公務員を活用すれば、大して金額はかかりません。そういうきちんとした専門外来を設けて、国民の不安を解消する方が大事だと思います。

 ――先ほど専門家がいないという話でしたが、医系技官は専門家ではないのですか。
医系技官の使命は、国民の健康と安全な医療を守ることであり、そのためにはプロフェッショナルである医師の能力が必要。だから本来は専門家であるはずです。ただし、今の医系技官は、臨床も何もできない専門能力のない医師がたまたまやっている。だから彼ら自身、自分たちの知識のなさをカバーするので精一杯。世界を見渡せば、専門能力を持って活躍している日本人は大勢います。そういうトレーニングを積んだ人間を登用するシステムに直して、総入れ替えした方がいいと思います。今は、単に天下りを守るだけの集団に成り下がっています。

 ――600人という医系技官の数が多すぎることはありませんか。
数より質ではありますけれど、しかし担う重責を考ると、能力のある人さえ確保できるのならもっと多くてもよいと思います。技官の役割は、現場と交流して、その意見をきちんと施策の企画立案に還元することです。霞が関にいたって現場のことは絶対に分からないし、施策の企画立案を法令官僚だけするのは不可能です。現場の意見をきちんと吸い上げるような仕組みと人が必要なんです。でも今はトップダウンで、現場では無理と思っているようなことが、本省が言っているからで全部押し通されてしまっています。

人材不足に関しては、アメリカやイギリスに留学している人も大勢いるのだから、いっそのこと向こうの大学を日本に誘致してしまえばいいと思っています。最初の教授は向こうの人になるんだろうけど、そのうち日本人も育って学術的な後れも取り戻せるし、留学費用にお金を使うぐらいならそっちの方がいいんじゃないですかね

 ――本を出して、何か本省から言ってきましたか?
本当にフランクに言ってくればいいんですが、何も正面切っては言ってきません。それをせずにイジメのようなことばかり。今回もアマゾンの書評に一般読者を装って悪口を書き込んでいる程度でしょう。彼らは一人ひとりは非常に臆病な羊。でも群れると狼になって意地悪をするんです。私は別に何も悪いことをしていないので、辞めろと言われる理由はないんだけれど、いつ辞めてもいい覚悟ではいますよ。一方で、もし責任ある仕事をしろと言われるならば、それも運命と思って懸命にやるつもりです。

 ――腹をくくっている分、上の人たちからすると一番始末に困りますね。
困るでしょうね。腹をくくってないと動いていかない、ビクビクしていたら動いていかないですよ。高校時代に五木寛之さんが学校に来て講演してくれて、「君たちは生きているだけでも困難な時代に直面している」と言っていました。今はさらに状況が悪くなっていて、私は娘たちが中学生だけれど、娘たちの時代に果たして日本があるんだろうかと思わざるを得ないんです。人生の中で日本を脱出するチャンスもあったし、日本に帰ってこない選択もあった。それでも私はやっぱり日本人だから日本に帰ってきた。だったら子供たちが安心して暮らせる日本をつくるのが私の務め、そう思っています。

 だから、ダメなものはダメと言い続けて、飛ばされ飛ばされ続けています

 ――同じような境遇の方は他にもいるのでしょうか。
1人だけ仲間を見つけましたけど、その人に話を聞いたら、他の人たちは辞めちゃったか、何も言わなくなっちゃったか、のようです。こんな姿を見ていると娘たちも何かを感じるんでしょう。「マミー負けるな」と言ってくれます。私も親の背中を見て育ちました。親がウソをついたり、ズルしたり、そういう姿も全部見ている。だからそういうことをしないで正々堂々としているというのも自分の役割かなと思っています。

 ――最後に一般の人たちに今回のインフルエンザに関して専門家の立場からアドバイスを。
厚労省の対策をけなしましたけれど、じゃあ国民は何もできないのかと言ったら、そんなことありません。他の気道感染性のウイルス感冒の予防と同様に、手洗い・うがいをしっかりやる。それからウイルスに負けない抵抗力を持つために、休養をちゃんと取ってバランスのよい食事をしてストレスを溜め込まないことが大事です。

マスクは、咳をしている人が他の人にうつさないためには意味があるけれど、感染を防ぐのに有効かは不明確です。あまり神経質になる必要はないでしょう。ただ日本では咳エチケットが定着していなくて、平気でゴホゴホやっている人もいるから、そういう人にマスクしてくださいというのは意味があるかもしれません。本来は国が責任もって咳エチケットを広めるべきと思います。


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【2009/05/29 22:25】 | 病気流行、パンデミック
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催し物で、大阪の人が来た。その人は中止になるかもと昨日からドキドキしていたそうだ。来てもやっていないのかと思ってきた。大阪の人だと嫌がられるかなと思ってマスクをしてきた。そうである。そんな心配しなくてもやるにきまってるだろ。そもそもみんな平均年齢が高いからかからないって。いやがらないし。新型インフルエンザ的取り越し苦労である。

 彼女は大阪の周辺の市だけど、「保存のきく缶詰と高野豆腐が売り切れてしまい、特に高野豆腐が売り切れるなんて信じられない」と驚いたそうだ。みんな物が無くなるから備蓄をと思っているのか。それから「野菜ジュースが大量に売れてる」とのこと。「なぜなの」と聞くと「健康にいいと思ってるのでは」。これもびっくりである。閉じこもりの傾向が見える。買い物にも出かけない。

 奈良でも。旅館の団体予約キャンセルが多く発生してガラガラになってもう大変。なにしろ1団体1千万円の売り上げである。まだ奈良では発症してませんと言うと「インフルエンザウイルスのいる場所に行きたくない」と関東の担当者にまともに言われたそうだ。どうやら新幹線に乗りたくないらしい。一切関西と関係したくないのかな。

 新型インフルエンザが発生した京都では、金閣寺でも団体予約のキャンセルが相次いでいる。旅館も同様。

 奈良の各地でも「マスクが売り切れている」とのこと。まるでなくて「完売です」とみんな貼ってあるのみ。とうとうパン屋さんでマスクを売っていた。食品安全衛生の団体から手に入れたとのこと。

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【2009/05/24 08:17】 | 病気流行、パンデミック
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