一躍注目を浴びたロシア映画「十二人の怒れる男」を見た。今、問題の裁判員制度との関係で、引きつけたのだ。あんな風にやるのかなんて。

 殺人で告発された若い男が被告だ。
 ロシア映画ということで現在のロシアの矛盾や混乱が出てくる。被告の男性はチェチェン生まれで少年の頃、攻めてきた(配備された)ロシア軍将校にあって養子となった。殺害されたのは何とその将校なのだ。養子の少年が目撃証言と共に疑われ告発を受けたのだ。

 3日間にわたる法廷での論告と証拠調べの後審議に入った。
 裁判所の部屋が改装中なので隣の学校の体育館を借りる。

 始まるとすぐにチェチェンの奴など人など平気で殺す連中だからすぐ決まるので結論を出そうと挙手で決を取る。
 そうすると年配の男性が一人だけ「彼は一生刑務所に閉じこめられる。そんなにすぐ決めていいのか。」と無罪に手を挙げる。ロシアでは死刑は廃止されている。

 他の人は出張や、これから仲間と興業に行く人など用事がある人が多くて不満だらけとなる。
 それで逃げだと言われながら、再度今度は彼以外が投票で決を取ってそれで全員が有罪なら自分も努力はしたと納得すると言った。
 ところが、一人無罪の人が出るのだ。少し疑いを持つようになったと。

 そして長い話し合いが始まり、証拠調べや証人二人の証言の再現なども行われる。それでおかしなところが出てくるのだ。もともと最初に言っていたチェチェン人だからと言う偏見がすべてを覆って検察だけでなく弁護士まで熱心でなく、おかしな取り調べや、証言の検証がいい加減であることがわかってくる。そしてロシアの資本主義のギャング化がわかってくる。そしてやむを得ずなったはずの陪審員たちは次々と変わっていく。

 最初はいい加減だった陪審員たちは少年のこれからを考えていくのだ。

 だがそれを含めてどうするか。結論になる。

 なかなか深くてやはり現代化としては出色の出来映えではないか。

 ただしである。それでもヘンリー・フォンダの出たアメリカ版の方がいい。というのは私が古い人間のせいか。あまりに劇的演出が効き過ぎて嘘くさいのだ。

 もう一つ、日本では裁判制度では裁判官と一緒の審議になるし、死刑まで存続している。それでかなり混乱が予想される。裁判官の言いなりでは何のための裁判員導入かわからないが、重罪の手間のかかる裁判も、裁判員のために数日でと急ぎすぎて、冤罪だらけになる可能性もあるのだ。
公式サイト
http://12.hex-pic.co.jp/


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【2009/04/20 20:15】 | 映画
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