中川昭一元大臣の問題で新聞記者がコンパニオン化して、男性記者は政治家官僚との宴会と外遊時の随行で豪遊旅行して癒着しきっていることが明らかになってきた。
 もちろんこれは東京の問題であり、地方にとってはぴんとこないという方もいらっしゃるだろう。だがこれは地域の問題とコインの両面のようにくっついている。それで地方の新聞記者と新聞の問題を書いてみたい。これは知られてはいないが、どこの地方でも同様のことが起こったのだと思う。

 奈良では過去の新聞記者は、少しは地域とつながっていた。奈良という地域は朝日新聞が圧倒的なシェアを誇っていた。今はどうなったか、縮小してシェアは同率かも。

 基本的に新聞記者は各地地方勤務は3年で、中には2年と早い人もいる。そして新聞社の用意したマンションに住んでいた。しかし転勤での交代のときでも、記者はお互いライバルということで、案件や地域とのつながりなどまるで引継をしない習慣なのだ。それでは地域のことは何もわからないのではと思うだろう。そうだ。現在は少なくともそうだ。まあこれは後記する。しかし過去にはそれを乗り越えて地域関係を作っていたのだ。

 だから市民運動や地域住民は、新聞記者とつながりをもっていた。確かに集会にも来ない。電話取材だったりする。でもある程度リベラルな人ばかりで付き合いやすかったのだ。そして様々の情報が新聞記者に集まった。

 新聞記者の夜は遅い。ところが地域のポイントになるような飲食店に行くとそこで晩飯と酒を飲んでいた。そうして人脈を作っていくのだ。

 その中でも朝日新聞はもっとも地域との縁が薄い。なかなか載らなかった。なにしろ記者会見にいっても載せないことも多いのだ。朝日の人でほんの変わり者のみが、例えば街づくりの会などに地域のサロンになっていて意見交換や情報などが得られると参加していた。でもそれは例外だった。逆に新聞全体の姿勢とはあまりに違うが、産経新聞のほうが地域や市民活動取材には熱心だったりした。


 ところが10数年ほど前から記者の態度が変わり、地域の問題がなかなか載らなくなってきた。どうも朝日新聞化(!)したのだ。そしてとうの朝日はもっと地域の問題がかけらも載らなくなった。開発や問題のある規制解除など起こっているのに記者は何をしているのかと思うくらいだ。おそらくまったく取材に行かなくなったのではないか。当然先に書いたような人脈作りもできなくなったように思う。

 このころゴミの問題などが、10年前に起こってきた。しかしなにも記者に縁がなく地域情報が載らない状態だった私たち市民運動側は個人的な縁を頼って大阪本社の記者に書いてもらった。
そうすると朝日新聞の奈良県記者クラブの記者が烈火のごとく怒りもう私たちの情報など載せないとわめきまわったというのだ。いや縄張り根性というやつらしい。でもほとんど付き合いが無くなり地域の問題情報も載せなくなった原因は朝日奈良支局・クラブの記者側のせいなのだ。それを私たちを隷属する者のごとき扱いをするとは何事だろう。

 もともとほとんど載っていなかったし、ゴミ問題での朝日新聞と私たちはお互い相手にしなくなった。他の新聞は必要な時は記者会見など行った。

 その後、5年前「無防備都市宣言」条例制定の運動を起こした。これは2万人6千人近くの署名を集めた大きな運動となった。集める人たちの広がりと情報交換は、ビラをまき、そこにURLを載せて、もっぱらホームページを使っていた。ただそれだけでは地域全体の人々にやっていることがわからないので記者会見や記者クラブへFAXなどで情報を送った。もはや付随的な扱いだった。しかもこのころから新聞は目に見えて部数を減らし始めたのだ。

 そして現在、相変わらず新聞記者は取材をしない。これは地域で出会わないことでわかる。地域の人々とのネットワークを作らないだけではない。そのうえ役所にも取材に行かなくなったようだ。昔はもっといろいろ取材に来ていたそうだ。取材して自分で切り開いていたのだ。これだけネットワークを自分で作れないのなら、引き継ぎをしないことがネックなら組織として習慣を改めたらいい。しかし、そういう声も出ないようだ。むしろ地域の問題点や情報を集めるという、問題意識とやる気がなくなったのでは。

 つまりは記者クラブでの行政や企業の広報に頼り切っているということだ。これでは人との役所の下部の人とか付き合いがなくなり、直接的なリークや耳打ちなどしてくれなくなる。組織の上からの都合のいい情報しか来なくなる。ここにも記者失格と思う状態がある。

 東京の政治家官僚との酒宴と海外豪遊とコンパニオンとはちがうが、いずれも権力ある者から与えられる情報のみに頼り切り、人々のほうを向いてないということは共通している。

 フリーライターの上杉隆氏が『ジャーナリズム崩壊』(幻冬舎新書)で提案しているが、新聞記者は新規採用からしか取らないということはやめたほうがいいのでは。とにかくひよわ過ぎる。米国紙のように色が付いていてもいい。プロとして情報を集め、そして切り込む、そういういろんな分野からの中途採用を基本にするべきではないか。

 これ以上部数が減ったら地域の取材体制も崩壊してしまう。しかしこれだけ地域取材しない記者よりは、通信社に任せて取材してもらったほうがましではないかとしみじみ思ってしまう。

 そして数を絞った新聞記者はより深い問題追及を行うのだ。しかし、今の記者にそれができるだろうか。とは思ってしまう。

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【2009/02/23 20:17】 | 戦争と平和
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これを読んでいただいているブロガー様

お願いがあります。
それは中川昭一担当女性記者の問題です。
前回2つの記事を書いていて少しうんざりする面はあったのですが、

http://isiki21.blog45.fc2.com/blog-entry-170.html

http://isiki21.blog45.fc2.com/blog-entry-169.html
どうやらこの新聞記者をめぐる問題は、下品さはあり腐臭は漂うものの、今の新聞の堕落の根本ではないかと思うようになりました。下記「世に倦む日々」も読んで、現在の日本の問題解決のためにはどうあっても追及しなければならないものだと思いました。そういうものが目の前の裂け目に現れたのです。

 「世に倦む日々」「コンパニオン記者に関する二つの疑惑と読売記者の2年前の記事」
http://critic6.blog63.fc2.com/blog-entry-27.html

 新聞は朝日新聞の新自由主義、郵政民営化賛成、かんぽの宿オリックス払い下げ賛成などを先頭に目も当てられない堕落の状況です。この大きな原因が新聞記者のコンパニオン化と政治家官僚との酒飲みゴッツアン構造にあると今回のことで透けて見えるようになりました。

 これらの記者たちが毎晩政治家、官僚と宴会をして、海外へは随行して豪遊する中で取り込まれていってる。それが新聞堕落の大きな原因のようです。

 私は運動経験は長い。だから日本の論者であれ運動者であれとても淡白で上品で傷つきやすいことは知っています。
 しかし、ここで経験上知っておいていただきたいのは、権力者はたいそうな武器と金を持ちながら綱渡りをしている者たちであり、ぼろを出して落ちそうになったら綱を思いきり揺らしに行かねばなりません。
 そして水の中に落ちた権力者は、このときとばかりに叩きに行かねばなりません。

 何ということを言うんだとお思いでしょう。しかしブログ論壇にいろいろな形で参加するものとして日本の問題は解決せねばなりません。私たちは権力者に比べたら力は弱く金もありません。だからこそ、そういうしつこさが必要なのです。そして相手が中枢の弱い部分をさらけ出した時にはかみつきに行かねばなりません。その時しか私たちが打撃を与えることはできないのです。

 どうかつまらないことなのですが、メディア・新聞の堕落追及に、ミニブロガーの私からですが「中川昭一担当女性記者問題」追及にご参加をお願いしたいのです。

 突然いろいろとお願いしてまことに申し訳ありません。

奈良たかし

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【2009/02/22 14:57】 | 政治・経済
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愛てんぐ
奈良さん、こんばんは

中川大臣、かんぽの宿、日本の中枢機構は完全に腐りきってしまい、自ら腐敗していることさえ、気付いていないというような気さえします。
女性記者達は中川大臣(酒)を酩酊させた共犯です。
罠と言うより、日常習慣が常識化し、大事なときでも出てしまったというのが素直だと思います。
女性記者達の会社は読売新聞、日本テレビ、いずれも読売系、ブルームバーグ はシティグループでユダヤ資本。

中川前大臣の件で見えたことは、マスコミも政府とつるんでいたことです。
日本の支配階級、お上が、機能不全に陥っていることも分かってきました。

いつも言いますが、お上ではなく公僕にすることが最も大事と思います。
その為には特権を剥奪し、国民と同等、国民目線にすること、その為には徹底的な情報公開です。

関心があります
散策
奈良たかし様
私は、この問題に大変関心を持っています。私は、マスコミ関係の仕事ではありませんので、政治とマスコミの密着度合いについては、わかりません。しかし、記者クラブ、政治家用のマスコミの原稿書きなど話題にことかきません。今日、電車の中吊りに、サンデー毎日に【「ヘベレケ中川」同行記者批判でネット炎上】という記事がでるとありました。植草さん、ぐっちーさんのときは、雑誌はスルーしました。自身(マスコミ)の問題にどの程度マスコミが踏み込んで書いてくれるのか注目しています。

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