事業仕分けは、第一ラウンドが終了した。1兆4千億円の財源が捻出され、34の事業の廃止を提言した。

 自民党が公開裁判のようだ、短時間で決めて判断ができないなどと批判している。しかし、530兆円の国家予算切り込みはあの方法しかないと思う。国会議員と専門家の参加の合同体制の中で、官僚天下り組み込みと積算に手早く切り込んでいく中でしか官僚主導予算は、縮減できない。他にどういう方法がある。法や制度を自らつくってきて防衛する官僚と長々と論議しても仕方ないではないか。

 しかし、今回の事業仕分け自体は財務省主導が強すぎる。財務省が選択した事業や財務省影響下で策定されたマニュアルは改める必要がある。ノウハウや官僚の無駄づくりの仕組み、あるいは積算の過剰な部分の特定に付いて学び、経済振興と国民生活優先で予算を造り無駄部分を切り込む体制を民間参加者と共に形成する必要がある。財務省路線からの脱却が必要なのだ。

 財務省は、絶えず緊縮財政路線しか取らない。そして消費税の15%アップによる財政赤字の短縮と短期的な視点による効率化、福祉や教育面での削減など、成果と効率受益者負担しか考えない。
また財政赤字は830兆円と多いが政府の保有金融資産も580兆円と多い。純債務は250兆円程度と日本政府の場合必ずしも危機的状況ではない。そういうことの切り分け抜きで国民生活や経済対策いっさいを考えないのが財務省なのだ。その欠陥はあまりにも大きい。

 だから、民主党政権は、財務省に対してもコントロールが必要なのでその跳梁を許していたのでは、けっして日本経済が立ち直ることはない。そして不況下で緊縮財政路線を取るのは根本的におかしい。またこれだけ格差社会が問題になっているのに財務省緊縮路線では国民生活が破綻してしまう。

 もちろん鳩山総理が発言したように来年の予算作りは政権自ら行わねばならない。しかし、判断部分でこれまでのような密室での官僚主導での予算決定ではなく公開による判定が必要だと思う。やはり事業仕分けはやるべきなのだ。
 それと、仕分け人からもんじゅ運転再開について慎重意見が相次いだのは無理もないことなのだ。まだ実証炉、次に実用炉で、その次がやっと商業炉である。その二段階も前の原子炉に対してすでに8千億円もの巨費が費やされ、1995年8月29日から同年12月8日にナトリウム漏れ・火災事故が起き発電はなんと約20億円分だけ。世界で最も効率の悪い発電施設なのだ。そのうえまだ何の目処も立たない。これをまともに評価する人はいない。

 また「構想日本」は、福祉切り捨てに偏重する傾向が高い。亀井静香郵政金融担当大臣が批判したように民間人参加者に競争原理主義者が多い。
 「構想日本」の上山信一政策委員兼運営委員が橋下大阪府知事の厚生福祉分野切り捨てと公共事業ほぼ温存の新自由主義政策の絶賛者であり、地方でされた事業仕分けも奈良市など切り捨ては福祉分野に大きく偏っている。最初から3千万以上の大型公共事業は対象から除外してしまった。また公募というが母子家庭や福祉対象者の代表は除外されている。応募するのは時間の余裕のあるような、どちらかというと「勝ち組」の人ばかりになる。これで言いわけがない。

 従って国でも「構想日本」だけに頼ってばかりのようでもまずいのだ。政権での自立と法的な強制力の付与。そして「構想日本」のようなシンクタンクの補助を受けるにしても、自ら動かせる体制が必要となる。

 スパコンの助成金267億円は改めて文科省の場で検討すべきだと思う。確かに仕分け人参院議員の蓮舫さんが、「世界一の性能にこだわる必要性があるの?」の一言で切り捨てたのは行きすぎだと思うからだ。世界一へと性能を争わねばならないし、科学発展の最先端では国家の助成が必要なのだ。

 それならなぜ宇宙ロケットを国で打ち上げていると思うのだ。蓮舫さん、あれも無駄だと思うのか。いずれはアメリカのように民間でロケットを打ち上げるようになるのかもわからない。でもまだまだ先の話だ。パイオニアは国でということになる。スパコンも同じなのだ。
 「スパコン、開発継続を」 研究者団体が緊急声明
次世代スーパーコンピュータ開発に関する緊急声明

 それと、「日本科学未来館」の館長の毛利衛さんが、これまで努力して年間40万人の来場者を8年間で90万人に増やしてきた。ずっと努力してきたとパネルを用意して説明したのだが、「赤字でしょ?」と切り捨てた。これもあまりに短期的な効率のみで選別しすぎなのだ。「コンクリートから人へ」というのはどこへ消えたのだ。

 でもこれで全部否定しようとは思わない。でも財務省路線から脱却して本当に長期的な人と科学を育てる道を見つけるべきだと思うのだ。

事業仕分け 第1ラウンド終了 「成果」重視 5日間で見えてきたのは
11月18日7時56分配信 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091118-00000024-san-pol
■財務省指南?マニュアル存在

行政刷新会議の事務局が事業仕分け作業にあたって作成したマニュアルの存在が17日、明らかになった。マニュアルは事前に仕分け人に配布され、これをもとに仕分け作業が進められた。マニュアル作成について、仕分け作業の統括役を務める民主党の枝野幸男元政調会長は同日、「情報を共有するために私の判断で作った」と述べたが、マニュアルの背後には財務省の影がちらついている。実際の仕分け作業でも民主党マニフェスト(政権公約)に基づく一部の政策を除けば、財務省のお膳(ぜん)立てに従った判定が目立っている。

≪育成どこへ文科省7割≫

仕分けマニュアルは対象事業の問題点を列挙した上で、担当省庁の反論に対する再反論の方法までも指南した内容。そこに盛り込まれた具体例からは、財務省が好みそうな「成果主義」「行政効率」「受益者負担」などの原則が浮き彫りになっている。

実際の仕分け作業でも、短期に成果があがらない事業は冷遇された。特に文科省は長期的視野に立った事業が多く、予算全体の約7割が仕分け対象となった。教育、人材育成の関連する事業の「廃止」について、同省幹部は「『コンクリートから人へ』という政権の方針はどこへ行ったのか」と不満を漏らす。

また、「行政効率」という面で、広告宣伝費や複数の省庁にまたがる事業や民間に移行可能な事業は整理・統廃合される傾向にある。法務省が要求した「裁判員制度の啓発推進費」も「最高裁や弁護士会と重複している」との批判を受けて、予算計上見送りとなった。

≪マニフェストの影響≫

一方、歳出規模の削減を進めたい財務省に対して、民主党はマニフェストに掲げた政策についてはぎりぎりで主張を押し通した。とりわけ社会保障関連予算は、マニフェストに「自公政権が続けてきた2200億円の削減方針は撤回する」と記述されており、仕分けでも厚遇されている。仕分け対象として取り上げられる数も少なく、削減額も小幅にとどまっている。

エネルギー関連事業にもこの傾向が表れている。民主党は、マニフェストで「原子力利用について着実に取り組む」としている上に、鳩山由紀夫首相は2020年までの温室効果ガス25%削減を掲げており、原子力発電の推進は欠かせない要素だ。17日の仕分け作業では、高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)の運転に慎重な意見が相次いだにもかかわらず、仕分け結果では、運転再開を容認。民主党の方針に沿った結論となった。

仕分け作業は、公開の場で行うことによって予算編成の透明化を図るという建前になっている。しかし、見えない部分にからくりがあり、そもそも仕分けの俎上(そじょう)に載せた事業の選定は、財務省の作成したリストがもとになっている上に、仕分けマニュアルにも財務省の意向が色濃く反映されたふしがある。あらかじめ財務省が書いたシナリオに沿い、一部に民主党の独自色を加えたのが今回の仕分け作業の本質だ。(小田博士)


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【2009/11/19 21:52】 | 政治・経済
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今週発売の写真週刊誌「FRIDY」(講談社)2009/8/21・28号に、すごいスクープが掲載されている。
「スクープ自民党の財源論争なんてデタラメ!もう政権交代シフトは始まっている!!
財務省民主党に渡した「207兆円予算」極秘資料」
である。これをもとにして今回は書きたい。

 民主党は、マニフェスト2009で、政権交代後の4年間の施策の財源として、一般会計と特別会計の無駄削減などで9兆8千億円、租税特別措置などの見直しで2兆7千億円を見込んでいる。そのための資料を財務省が作成したのだ。

 財務省が作成して民主党に渡したA4版65枚の資料「21年度における純計額(一般会計+特別会計)【目別】」の内容だ。
 国の予算は、中身を今まで知ることができなかった。だから平成21年度予算にしても、
一般会計歳出総額88,548,001,321
特別会計歳出総額354,914,984,825
         合計443,462,986,146
とか、合計額や省庁予算や各事業費がわかってももっと細かい内訳が分からないと批判のしようがない。

 財務省が今回民主党に渡したこの資料はそれを細かい費目別に出したもので、無駄が一目瞭然である。
 たとえば公務員に何と交際費がある。それは総額5億6千万に上るが、途上国向けのODAにまで1億2千万も付いている。何に使うのか理由不明である。
 そしてわけのわからない金は「報償費」で、合計51億円、外務省が27億円、内閣が15億円。他にこれも何なのかわからない「報償品費」2億8千万円。
 以前外務省で報償費がマスコミに対する懐柔と操作のための遊興費として使われていることが明らかになったが、この報償費はあいかわらず何に使われているか全くわからない。

 もっと大きな金は独立行政法人に対する「施設整備費補助金」で、水産総合研究センター施設整備費補助金17億3千万円、農業・食品産業技術総合研究機構施設整備費補助金15億571万円。施設整備にどれだけ金を使うのか。特にこれは補正予算でも公的部門の施設整備費に2.8兆円もの国費が投入され、大きな批判の的になったが、本予算でもそれはバラまかれていたのだ。
 もっとおかしいのは、独立行政法人に対しての「運営費交付金」という金が支出されている。これは特別会計を通じて各省庁の裁量だけで出されている役人の隠し財布に近いものだ。

 ほかには、研究や調査の委託費が問題だ。役所は独立行政法人や企業にこれらを委託する。科学技術試験研究委託費340億円、情報収集衛星システム開発等委託費546億円など並ぶが、みんな天下り先への内輪での甘い見積もりで、利益だけを何割か取るというトンネル化していて、そのまま他の企業へ丸投げしている場合がほとんどで、いくらでも削減できる。

 この「純計額(一般会計+特別会計)【目別】」は、なぜこんな事業や予算が必要か、官僚に対し公開の場で一つひとつ、これは何に使ったのか、どうして必要なのか、質せる資料なのだ。
 そして、それを財務省が作成して民主党に渡した。もはや民主党へ政権交代シフトしたのだ。でも財務省は本当にしたたかで、自分たちがすべて握って操っていると思っているからこういうことをする。では逆に民主党はどうやって操り返すのか、これが課題なのだ。前の非自民細川・羽田政権の時は官僚内閣制は小揺るぎもしなかった。

 本当のリーダーは誰なのか。そして国民主権に基づく政治ができるのか今問われているのだ。

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【2009/08/08 22:22】 | 政治・経済
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さとし
政権交代したら民主党は政治判断で三井環氏、植草一秀氏を釈放するべき。
そして、この二人を貶めた検察官を証人喚問するべし。

Re: 政権交代
奈良たかし
> 政権交代したら自民党の不正がどんどん明らかになってくるであろう。
> それをしなければまた自民党に政権が戻るであろう。
> 長妻昭無駄撲滅プロジェクトチームがどこまで不正に迫れるか!?
 検察と警察の違法行為をぜひ暴いてほしいと思っています。


政権交代
さとし
政権交代したら自民党の不正がどんどん明らかになってくるであろう。
それをしなければまた自民党に政権が戻るであろう。
長妻昭無駄撲滅プロジェクトチームがどこまで不正に迫れるか!?

乞うご期待(笑)

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