小説家の中には、人を見下してしまう人が結構いる。人の真実と思い込んでさげすんで無能でやる気も能力もないものだと思い書いてしまうのだ。そんなことはない。みんな馬鹿ではないのだからお人よしのことばかりするわけがないし、エゴに満ちているが善意のこともする。

 ある日「本の雑誌」で北上次郎が『漁港の肉子ちゃん』西加奈子著を評価していた。ところが読むとまるで見当外れの小説で愚かな女が人の子供を育てる話だった。男の言うことなら何でも信じるしだまされてばかりなのに朗らか。漁港の街で作者が勝手に登場人物を思いついて小説にした。作家も評論家もどうかしている。
そういえば戦前の小説にそんな馬鹿な女を書いたのがあった。あまりに古めかしいのだ。

漫画でこんな古めかしい設定があっただろうか。それを褒める愚かな評論家がいただろうか。こんな状態ではいけない。

小説とは人を動かすほどの大きな力を持っているものだ。人の人生を変えることができる。こういうもっと人の核心に迫る小説を読みたい。若いころ母子家庭でこれから母を助けると信じていた時に母を亡くした山本一力さんの出会いのように。
http://book.asahi.com/mybook/TKY200807300188.html

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【2012/01/15 16:48】 | 奈良たかし・本の話
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