(劣化ウラン研究会/たんぽぽ舎 山崎久隆氏よりの情報、転載歓迎)

 ガザ攻撃でのイスラエルの公式見解は「国際法上違法とされる兵器は使用していない」と、木で鼻をくくったひと言のみである。

 下記の、リンは、DIMEは、劣化ウランは、と、様々な質問や批判が出されているのに具体的には何も答えていない。このことは米国のイラク・アフガニスタン軍事行動とも全く同様である。このようなことが繰り返されれば、国際人道法も様々な禁止条約も骨抜きにされるだろう。

 米軍などが実際に行っている禁止兵器に代替するように兵器と攻撃法を組み合わせる手法は、歴史的にも行われてきているがそれを喝破しなければ今後も法令や条約と軍事技術開発のイタチごっこは終わらない

1 リン弾(ウィリー・ピート、WP、白リン弾、黄リン弾、リン酸弾、焼夷弾、
発煙弾、照明弾、チャフ・フレア)

 いずれもリン(フォスフォラス)の燃焼による煙、光、熱を利用する兵器。化学兵器のように国際法上、直接違法兵器とする条約はないが、ジュネーブ第四条約により「無用な苦痛を与える兵器」として人に使用することは禁じられる。従って、対人兵器として使用すれば違法となるが、イスラエルは対人兵器としての使用を否定している。

 大戦中は焼夷弾としても大量に使われたが、現在はそのような使い方は違法とされる。

 しかし当初はリン弾を使用したことも否定したため、英国タイムズ紙やイスラエルハーレツ紙などまでも批判した。当初は「M825A1(米国製の155ミリ白リン砲弾)の中身は空っぽである」などと軍の報道官が説明をしていた。

 リンによる健康被害、特に火傷の予後は悪い。まして現地の医療関係者は当初、リンによる火傷とは全く知らないで治療に当たったため、献身的努力にもかかわらず救命できなかった被害者が多く出た。
 火災現場では水を掛けたりしたため、かえって大きな被害が出たところもある。


2 高密度不活性金属弾(DIME dense inert metal explosive)

 「小直径爆弾SDB スモール・ダイアメーター・ボブ」の一種。被害半径を小さくすると共に爆心の破壊力が最大になるように設計された爆弾や砲弾。
 イスラエルが使ったのは2006年のレバノン攻撃以来。高密度金属とは比重の大きい金属で、鉛やウランも含む。ただし不活性金属ということで、高温になっても容易に化学反応を起こさないタングステンを指す。つまりタングステン散弾である。

 爆発中心では爆発と共に高温になったタングステン粒子が飛び、対象物を引き裂くが粒子径が小さいため空気抵抗で数メートル飛ぶとエネルギーを失う。そのため爆心から10メートルも離れれば打撃はないとされる。そのことから「人道的兵器」などと言う者もいる。

  しかし爆発の影響を少しで設けると、その組織はずたずたに引き裂かれるため足や手を引き裂かれる犠牲者が多数出て治療が極めて困難であった。さらに米国の報告ではタングステンには発ガン性があり、体内に止まった場合発ガンリスクがあるという。従来のタングステン弾の場合、燃焼しないことから微粉末になって体内に侵入する可能性は低かったが、DIM兵器に曝された場合劣化ウランのように後日ガンや白血病を発症する可能性もある。


3 フレシェット弾(矢弾)

 長さ1インチ(2.5センチ)ほどの小さな矢を5000本(M546 105ミリ弾)仕込んだ対人攻撃兵器。94×300メートルが攻撃範囲となる。高密度で浴びれば体がバラバラに引き裂かれる。一種のクラスター兵器。ただし残留する矢そのものには健康被害や爆発を引き起こすものではないと思われるので、クラスター兵器禁止条約は及ばない。

 人口密集地のガザで使えば、子どもたちや民間人を多数を巻き込むことは明らかであった。この兵器の使用についてもイスラエルは公式には何もコメントしていない。

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【2009/02/17 01:20】 | 戦争と平和
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