麻生総理が、正直オバマに会いに何しにいったのだろうと思う。昼食も無しに1時間。この無しというのは、実は日米会談後に米有力テレビの、ABCテレビなど3大ネット、CNN、FOXの夕方と日曜日のニュース番組のキャスターたちと、昼食懇談会をするためだった。テレビ関係者より格下だったのだ。
 この異様な冷たさは、こんなに支持率が低くて総選挙による国民の信託も受けていないしだいいち選挙を逃げ回っている外国首脳と大々的な形で会談すると自分の支持率や人気にも響くからだろう。

 アメリカにとっては何とかこの不人気首相を利用してやろうという魂胆しかない。そのくせ、「アフガニスタン」戦争、「ドル信任、基軸通貨維持」と言いたいことを言われて約束してきたようだ。本当に馬鹿じゃないのか。

 ところが、朝日新聞では、「異例の厚遇」だと書いている。なにがだ、どこがだ。もう本当に朝日新聞を取るのはこんどからは止めようかと思う。

 気になるのは、アフガニスタンで
「◇日本がアフガン安定化への支援を強化、加速。
 大統領 これまでの支援に感謝。開発、治安分野、インフラ整備などやることは多い。日本の積極的な役割を歓迎。」
となっている。しかし、これでは「治安分野」を「積極的な」協力となると、直接戦闘以外のアフガニスタン戦争のほとんどということになる。そのうえに「開発」、「インフラ整備」まで。

 このような形で、事実上のほぼ戦闘区域のみの国で、ここまで踏み込んで「積極的協力」を求めたのはアメリカ大統領では初めてではないか。
 ブッシュ政権下で2005年1月までのアミテージ元国務副長官が以前から提唱していたように、日本を英国と同様の戦争パートナー化させる構想はあったが、日本により協力させる民主党政権下で遂にそれを現実に求めてきたのではないか。これは非常に危険である。

  そのうえ、ドル基軸通貨維持まで、かなりのことを要求している。具体的には何か。ドルの基軸通貨としての信任なら米国債を買えということなのだろうか。

 新しい世界を見据えた日本の政策が必要でアメリカ追随では済まなくなったのだ。

 ただ人気取りしか考えていない麻生首相にはこんなことはわからないか。

日米首脳会談:要旨
 (日本側説明に基づく)

http://mainichi.jp/select/world/news/
20090226ddm007030103000c.html


 ■日米同盟

 ◇在日米軍再編の着実な実施を含め、日米同盟の一層の強化で合意。
 オバマ米大統領 日米の友好関係は米国に極めて重要。大統領執務室を訪ねる初の外国賓客が首相なのは、このためだ。日米同盟は東アジアにおける安全保障の礎石で、私の政権として強化したいものだ。世界中の問題で連携する機会がある。日本は気候変動からアフガニスタン問題に至るまで、偉大なパートナーとなってきた。

 麻生太郎首相 最初の公式な賓客として招待いただき、感謝する。世界第1位、2位の経済大国である日米が手を携えて取り組まなければならない。

 ■経済・金融

 ◇日米が取り組むべきは金融、世界経済との認識で一致。基軸通貨であるドルの信認維持が重要。国際金融システムの安定化、成長促進のため協力の加速で一致。
 首相 世界貿易機関(WTO)の多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)の早期妥結に努力する。日米経済対話の新たな枠組みの検討を進めたい。

 大統領 日本、中国など大規模な経済を持つ国は内需拡大をしてもらいたい。

 ■北朝鮮

 ◇6カ国協議で、検証可能で完全な北朝鮮の非核化実現のため協力。(弾道ミサイル発射など)北朝鮮は緊張を高める行動を取るべきではないとの認識で一致。
 首相 拉致、核、ミサイルなど諸懸案の包括的解決が重要。

 大統領 同意する。日米間の緊密な連携が重要だ。

 ■アフガニスタン

 ◇日本がアフガン安定化への支援を強化、加速。
 大統領 これまでの支援に感謝。開発、治安分野、インフラ整備などやることは多い。日本の積極的な役割を歓迎。

 首相 アフガンだけでなく、隣国パキスタン、イランという地域的広がりをもって取り組むのが重要。

 ■環境・エネルギー

 ◇日本が目指す低炭素革命と、クリーンエネルギーを重視する米国の経済再生策は方向性を共有すると確認。クリーンエネルギーに関する日米協力を具体化させる協議を開始。(温室効果ガス削減のための)13年以降の枠組み構築に向け、緊密な連携で一致し、25日に日米実務協議を始める。
==============

 ◇麻生首相会見要旨
 オバマ大統領は、一緒に手を携えていける、信頼に足る指導者との印象を受けた。会談は率直で内容あるものだった。今後も率直に話し合えると感じた。

 会談は景気対策、経済問題が中心。北朝鮮の拉致・核問題、アフガニスタン問題も話した。大統領はエネルギー、気候変動に極めて関心が高く、提案もいろいろあった。

 北朝鮮の弾道ミサイル発射は初動が大事。発射された場合、各国の対応を話した。オバマ大統領は、拉致問題をよく知っており、大統領の方が多く述べた印象だ。

 (内閣改造は)今の時点で考えていない。


政権浮揚、期待できず=日米首脳会談、自民にも厳しい声 (時事通信  02月25日)

麻生太郎首相とオバマ米大統領との日米首脳会談について、政府・自民党内では25日、「非常に意義深い」(河村建夫官房長官)などと評価する声が相次いだ。しかし、与党からは「形だけでは政権浮揚にもならない」と厳しい声も出ている。日米首脳の緊密な関係をアピールして失地回復を狙った首相だが、思惑は空振りに終わったようだ。

外務省幹部は記者団に「ホワイトハウスの最初の客として迎えられ、日米同盟強化を確認できた。サプライズはなかったかもしれないが、よかった」と成果を強調した。公明党の北側一雄幹事長も記者会見で「米国のジャパンファーストの姿勢が示された。世界的な課題に対して重要なパートナーとしての協力関係を確認し、非常に意味があった」と評価した。
 しかし、首脳会談と大統領の施政方針演説が同じ日で、米メディアの関心もほとんどがオバマ演説。両首脳の昼食会や共同記者会見は行われず、「強固な日米同盟」を十分に世界に発信することはできなかった。

自民党内からは「国民に伝わらない」「アピールがいまいちだ」との声が相次いだ。党幹部の1人は「これまでの失点が大き過ぎて、今回の訪米も起死回生の一打にならない」と指摘した。
 一方、野党は「国民の支持の低い首相が大統領と対等の話し合いができたのか」(鳩山由紀夫民主党幹事長)などと酷評。同党の山岡賢次国対委員長もCS放送の番組収録で「(米国は)『基軸通貨ドルの信認維持』を日本に言わせるため、首相を一番先に呼んだ。特に米国債を日本にはしっかり買ってもらおうということだ」などと指摘していた。 


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【2009/02/26 17:14】 | 政治・経済
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 オバマアメリカ大統領が就任した。はたしていかなる道を歩むか。

 言葉による人への呼びかけと訴え。「言葉の力」でアメリカ大統領になった人物である。

 しかし、政策に関して曖昧なところが残る。例えば貧困対策など歯切れは悪い。外交も軍事も政策力がない。これは、民主党の対立候補ヒラリー・クリントンが再三にわたって指摘している。困難な問題になるときちんと言い切らず曖昧になるのだ。

 それと決して平和主義者ではなくイラクから兵力の大部分を引き上げアフガニスタンに投入するとしている。これも、行方の見えないところだ。もしかするとイラク以上に泥沼化する可能性もある。

 それに、中東・湾岸・中央アジアのイスラム圏への理解が不足しているのでは。ガザ攻撃に対して何もせずアピールもしなかった。経済問題であれほど雄弁だったのにも関わらずだ。これに関しては突然「ブッシュだけが現職大統領なんだ」と言い始める。逃げの姿勢が目立つ。
 パレスチナ問題の解決抜きでイスラム圏と世界の平和はない。大きな影響を持つのだ。それがわかっているのか。
 それに彼は周囲のスタッフや政権に、ユダヤロビーに取り囲まれている、という話がある。しかも、ヒラリー・クリントンや首席補佐官ラム・エマニュエルも含めてなのだ。
 
 世界金融帝国が崩壊して、ドルの基軸通貨としての価値が揺らぎ世界からの投資資金が止まった。この中でどう経済を立て直すのか。グリーンニューディールというが本当に機能するのか。
 あらゆる先行きがわからないとしかいいようがないのだ。

 もちろん、過剰な期待は禁物でどういっても超大国アメリカの大統領である。いきなり、平和の使者が表れたと思うほうがおかしいのだ。軍事分野など期待できない方面はやはりある。大きく思いが広がるのはブッシュ前大統領があまりにひどかったからだろう。

 就任演説を読んでわかるのは、少なくともブッシュ流のアメリカ一極単独主義と、軍事突出支配は避け、外交にかなり傾注するのではということだ。しかし、軍事はうまく効果的に使うといっている。
 これも気になるところで、例えば、レーガンやパパ・ブッシュの時代までは、南米では軍事独裁政権に拷問やテロを専門に教える軍事学校を設立していた。そういう「効果的」なものではないのだろうね。オバマさん。

だから、我々を今見ている他の民族や政府に対して言いたい。巨大な都市から、私の父が生まれたような最も小さな村まで、米国は平和で尊厳ある将来を求めるすべての国々とすべての男女、そして子どもの友人であり、もう一度、指導力を発揮する用意があることを知ってほしい、と。

 先人がミサイルや戦車を使うのみならず、信念と確固たる同盟をもってファシズムや共産主義に勇敢に立ち向かったことを思い出そう。先人は軍事力だけが我々を守るのではないことや、またそれを好き勝手に使えないことを知っていた。

 代わりに、彼らは慎重にそれを使うことで力が増し、安全は目的の正しさや、他国の手本となる振る舞い、謙虚さや自制心から発することを知っていた。



 日本に対する要求が大きくなるのではという不安がある。これも見守らねばならない。小泉流でいつまでも米国従属だけしていられない。日本は今自分たちで決めねばならないことも多い。特に金融や経済面で。

 しかし、やはりオバマに期待したい。苦難の道こそオバマのために用意されたのだと思う。これを突破していただきたい。状況を知ることで自分自身の枠組みを打ち破って、そして世界の歴史に残るリーダーとなってほしい。まあ、アメリカでは「100日ルール」があり、何らかの初期成果を少なくとも目に見える形で上げねばならない。それが第一段階なのだ。

オバマ大統領就任スピーチ(1)同時通訳付き


オバマ大統領就任スピーチ(2)同時通訳付き

毎日新聞 オバマ大統領就任演説:全文

(1)恐れでなく希望を選んだ
http://mainichi.jp/select/world/obama/
speech/news/20090121k0000m030175000c.html


 国民の皆さん

 私は今日、厳粛な思いで任務を前にし、皆さんの信頼に感謝し、我々の祖先が払った犠牲を心にとめて、この場に立っている。ブッシュ大統領が我が国に果たした貢献と、政権移行期間に示してくれた寛容さと協力に感謝する。

 これまで、44人の米国人が大統領としての宣誓を行った。その言葉は、繁栄の波と平和の安定の時期に語られることもあったが、暗雲がたれ込め、嵐が吹きすさぶただ中で行われた宣誓もあった。こうした試練の時に米国が前進を続けられたのは、政府高官の技量と展望だけでなく、「我ら(合衆国の)人民」が、先達の理想と、建国の文書に忠実でありつづけたためでもある。

 それが我々の伝統だった。我々の世代にとっても、そうありつづける。
 だれもが知る通り、我々は重大な危機にある。わが国は(イラクやアフガニスタンで)戦争状況にあり、敵は憎悪と暴力のネットワークを持っている。経済状況も悪く、その原因は一部の人々の貪欲(どんよく)さと無責任さにあるものの、我々は困難な選択を避け、次世代への準備にも失敗している。

 多くの人々が家を職を失い、企業も倒産した。健康保険制度もカネがかかりすぎ、多くの学校(制度)も失敗した。毎日のように、我々のエネルギーの使い方が敵を強め、地球を危険に陥れている証拠も挙がっている。

 これがデータや統計が示した危機だ。全米で自信が失われ、アメリカの没落は必然で、次の世代は多くを望めない、という恐れがまん延している。

 今日、私は我々が直面している試練は現実のものだ、と言いたい。試練は数多く、そして深刻なものだ。短期間では解決できない。だが知るべきなのはアメリカはいつか克服するということだ。

 この日に我々が集ったのは、恐れではなく、希望を選んだためで、争いの代わりに団結を選んだからだ。

 この日、我々は実行されない約束やささいな不満を終わらせ、これまで使い果たされ、そして政治を長いこと混乱させてきた独断などをやめる。それを宣言するためにやって来た。

 我々はいまだ若い国家だ。だが、聖書の言葉を借りれば「幼子らしいこと」をやめる時が来た。我々が、不朽の精神を再確認する時がきた。より良い歴史を選ぶことを再確認し、世代から世代へと受け継がれた高貴な理想と貴重な贈り物を引き継ぐ時が来た。それはすべての人々は平等、自由で最大限の幸福を追求する価値があるという、神の約束である。

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(2)立ち上がり、再建しよう
http://mainichi.jp/select/world/obama/
speech/news/20090121k0000m030176000c.html


 我が国の偉大さを再確認する時、我々は偉大さが決して与えられたものでないことを理解する。自分で手に入れなければならないのだ。我々のこれまでの旅は、近道では決してなかったし、安易に流れるものでもなかった。それは心の弱い、仕事より遊びを好み、富と名声からの喜びのみを求める人々の道でもなかった。むしろ、リスクを選ぶ人、実行の人、創造の人の道だ。恵まれた人の場合もあるが、多くはその仕事については知られず、長く困難な道のりを歩み、我々を繁栄と自由へと運んでくれた人々だ。

 我々のために、彼らは、ないに等しい荷物をまとめ、海を渡って新しい生活を探した人々だ。

 我々のために、彼らは額に汗して働き、西部に住み着き、鞭(むち)打ちに耐え、硬い土地を耕してきた人々だ。

 我々のために、彼らは(米独立戦争の戦場の)コンコードや(南北戦争の)ゲティズバーグ、(第二次世界大戦の)ノルマンディーや(ベトナムの)ケサンで戦い、死んだ人々だ。

 歴史の中で繰り返しこうした男女がもがき、犠牲を払い、我々がよりよい生活を送れるように苦労してきた。彼らは、米国が我々の個人的な希望の集大成よりも大きい存在だと思っていた。生まれや富、党派の違いより偉大だと思っていたのだ。

 この旅を今日、我々は続けている。我々は今でも地上で最も繁栄し強力な国だ。我々の労働者は今回の危機が始まった時と同様、生産性は高い。発明心に富み、商品やサービスは先週、先月、昨年と同様に求められている。

 我々の能力は落ちていない。だが、過去に固執し、狭い利益しか守らず、面倒な決定は後回しにする時代は終わった。今日からは、我々は立ち上がり、ほこりを払い、アメリカ再建の仕事に取りかからねばならない。

 どこを見回してもすべき仕事がある。経済状況は、大胆で迅速な行動を求めている。我々は新しい職場の創造だけでなく、成長のため新しい基盤を作らねばならない。

 我々は道路や橋、電線やデジタル通信網をつくり、我々の商業を支え、我々の結びつきを強めなければならない。我々は科学を本来あるべき場所に引き戻し、技術を活用し医療の質を引き上げると共にコストを下げる。

 太陽、風や土壌を使って我々の自動車の燃料とし、工場を動かす。我々の学校や単科大、大学を新たな時代の要請にあわせるようにする。これらすべてが我々には可能だ。これらすべてを我々は実行するのだ。

 我々の志の大きさに疑問をはさむ人もいる。我々のシステムでは大きすぎる計画は達成できないという人々だ。彼らは覚えていないのだ。彼らはすでにこの国が成し遂げたことを忘れているのだ。想像力が共通の目的に出会った時、必要が勇気と出会った時、自由な男女に達成できることを忘れているのだ。

 皮肉屋が理解できないのは、彼らの下で大地が動いたということだ。我々を余りに長期間、消耗させた使い古しの政治論議はもはや適用されない。今日、我々が問うのは、政府が大きすぎるか小さすぎるかではなく、機能しているかどうかだ。家庭が人並みの収入を得られるよう仕事を見つけ、威厳をもって引退できるよう助けているかどうかだ。

 答えが「イエス」の施策は継続する。「ノー」の施策は廃止する。公金を預かる我々は、説明責任を果たさなければならない。適切に支出し、悪い習慣を改め、誰からも見えるように業務を行う。それによって初めて、国民と政府の間の重要な信頼を回復できる。

 市場が正しいか悪いかも、我々にとっての問題ではない。富を生み出し、自由を拡大する市場の力は比肩するものがない。だが、今回の金融危機は、注意深い監視がなされなければ、市場は制御不能になり、豊かな者のみを優遇する国は長く繁栄することはできないことを我々に気付かせた。

 我々の経済の成功は国内総生産の規模だけでなく、繁栄が享受される範囲や、望む人すべてに機会を広げる能力にかかってきた。慈善としてではなく、公共の利益に通じる最も確実な道としてだ。

 我々の防衛一般に関しては、我々の理想と安全のどちらかを選ぶという間違った考えを拒絶する。建国の父らは、想像もできないような危険に直面しながら、法の支配と人権を確約する憲章を起草し、それは何世代もの血で拡大されてきた。これらの理想はいまだに世界を照らし、我々は方便のためにこれらをあきらめることはない。

 だから、我々を今見ている他の民族や政府に対して言いたい。巨大な都市から、私の父が生まれたような最も小さな村まで、米国は平和で尊厳ある将来を求めるすべての国々とすべての男女、そして子どもの友人であり、もう一度、指導力を発揮する用意があることを知ってほしい、と。

 先人がミサイルや戦車を使うのみならず、信念と確固たる同盟をもってファシズムや共産主義に勇敢に立ち向かったことを思い出そう。先人は軍事力だけが我々を守るのではないことや、またそれを好き勝手に使えないことを知っていた。

 代わりに、彼らは慎重にそれを使うことで力が増し、安全は目的の正しさや、他国の手本となる振る舞い、謙虚さや自制心から発することを知っていた。

(3)イラク撤退、温暖化防ぐ
http://mainichi.jp/select/world/obama/
speech/news/20090121k0000m030177000c.html


 我々はこの遺産を引き継ぐ。これらの原理に再び導かれ、解決により一層の努力が求められる新しい脅威に対抗できる。我々は責任を持ってイラクから撤退し始め、イラク人に国を任せる。そしてアフガンでの平和を取り戻す。古くからの友人とかつての敵と共に、核の脅威を減らすために絶えず努力し、さらに地球の温暖化とも戦う。

 我々の生き方について言い訳はしないし、それを断固として守る。無実な人々を殺したり、脅迫で自己の目的の実現を図る者に対し、告げる。我々の意思の方が強く、我々の意思を曲げることはできない。我々の方が長く生き、そして打ち負かす。

 我々の多様な出自は強みであり、弱みではない。キリスト教徒、イスラム教徒、ユダヤ教徒、ヒンズー教徒、そして無宗教者の国だ。地球上の津々浦々から来たあらゆる言語と文化で形作られている。内戦(南北戦争)や人種差別という苦い経験もしたが、その暗い時代をへて、我々はより強くなり、きずなも深くなった。かつての憎しみはいずれ消え、我々を分け隔てた壁はいずれ消える。世界が小さくなるにつれ、我々が共通に持つ人類愛が出現する。そしてアメリカは平和の時代をもたらす役割を果たさねばならない。

 イスラム世界との関係では、互いの利益と互いの敬意を基本として共に歩む方法を探す。対立をあおったり、国内の社会問題が生じた責任を西側世界に押しつけようとする指導者たちよ、何を壊すかでなく、何を築けるかで、国民に評価されることを知るべきだ。

 腐敗、策略、口封じで権力にしがみつく指導者たちは、大きな歴史の過ちを犯していることを知るべきだ。しかし、その握りこぶしをほどくならば、我々も手を差し伸べる。

 貧しい国々の人々には、我々が一緒に汗を流すことを約束する。農地が豊かになり、きれいな水が流れるようにし、空腹を満たすとともに、飢えた心も満たす。そして我々のように比較的豊かな国々は、国外での苦しみに無関心でいたり、影響を気にとめずに、地球の資源を浪費はできない。世界は既に変革しており、我々もそれに合わせて変わらなければならない。

 我々は進む道を熟慮しながらも、今まさに、遠く離れた砂漠や山々で警戒に当たる勇敢なアメリカ人たちへ謙虚に、そして感謝の念を持ち、思いをはせる。彼らは今日、我々に教訓を与えてくれる。アーリントン国立墓地に眠る英雄たちと同じように。彼らが自由の守護者だからだけでなく、彼らは奉仕の精神を体現し、自分たち自身よりも偉大なものが存在し、それに意味を見いだす人たちだからこそ、たたえる。そして、この歴史的な瞬間に、まさにこの精神を我々がみな共有しなければいけない。

 政府の能力や義務は、究極的には米国民の信念と決意が決定する。それは、堤防が決壊した時に見知らぬ人をも招き入れる親切や、友人が仕事を失うことになるよりも、自分の労働時間を削ってでも仕事を分け合おうという労働者たちの無私無欲のおかげで、最も暗い時を切り抜けることができる。煙に満ちた階段を駆け上がる消防士の勇気や、子どもを育てる親たちの意志が、最終的に我々の運命を決定付ける。

(4止)新時代への責任を
http://mainichi.jp/select/world/obama/
speech/news/20090121k0000m030178000c.html


 我々の試練は新しいのかもしれない。それに立ち向かうための道具も、新しいかもしれない。我々が成功するかどうかは、労働と誠実さ、勇気、フェアプレー、忍耐、好奇心、忠誠心や愛国心にかかっている。古くから言われていることだ。だが、真実だ。それは歴史を進歩させた静かな力だった。今求められているのは、こうした真理への回帰だ。責任を果たすべき新たな時代だ。我々米国人一人ひとりが、自分自身や国家や世界に義務を負っていることを認識し、こうした義務を嫌々ではなく、喜んで受け入れることだ。私たちにとって、困難な仕事に全力で立ち向かうことほど、自らの性格を定義し、精神をみたすものはない。

 これが市民であることの代償と約束だ。これが私たちの自信の源泉だ。神が未知の運命を自らの手で形作るよう、我々に求めたものだ。

 なぜ男性も女性も子供たちも、どのような人種、宗教の人々も、こうして就任式に集まることができるのか。なぜ約60年前なら地元のレストランで給仕されなかった可能性のある男の息子が、こうして皆さんの前で宣誓式に臨むことができるのか。これこそが、我々の自由、我々の信条の意味なのだ。

 我々が誰なのか、我々がどれほど遠くまで旅してきたか。今日という日を、それを記憶に刻む日にしよう。

 アメリカ建国の年、最も寒かった時、愛国者たちは氷で覆われた川岸で、たき火のそばに寄り添い合った。首都は見捨てられ、敵は進軍し、雪は血で染まった。独立革命が本当に実現するか不確かな時、建国の父たちは、この言葉をきちんと読むよう求めたのだ。

 「未来の世界に語られるようにしよう。厳寒の中で希望と美徳だけが生き残った時、共通の脅威にさらされた国や地方が前に進み、それに立ち向かうと」。

 アメリカよ。共通の脅威に直面した非常に困難なこの冬に、これら永遠の言葉を忘れないでいよう。希望と美徳をもって、この氷のような冷たい流れに勇敢に立ち向かおう。そしてどんな嵐が来ようとも耐えよう。

 将来、我々の子孫に言われるようにしよう。試練にさらされた時に我々は旅を終わらせることを拒み、たじろぐことも後戻りすることもしなかったということを。我々は地平線と注がれる神の愛を見つめ、自由という偉大な贈り物を前に送り出し、それを次世代に無事に届けたのだ、ということを。(おわり)



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【2009/01/21 01:00】 | アメリカ
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