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 「ぐるりのこと。」は、しんどい映画でかなりこたえる。私の知り合いは、途中から頭がくらくらしてきたそうだ。リリー・フランキーの夫カナオが軽く演技して始まるので油断してはいけない。10年間の夫婦の始まりと困難とその後を描く。

 木村多江演じる奥さんの翔子さんは、すごく自分で計画して堅く守るし夫にも守らせようとする。何しろ不満があってバナナを食べながらカナオさんの帰宅を待って、言い合いを少しした日に、あれをすると決めた日だからしようと言うのだ。夫は呆れて決めたからとかそういうものではないだろう。雰囲気作りのために口紅を塗ってくれと言うがきかない。まあ最後はそれなりにカナオさんは部屋に入っていくが。

 二人は美大の日本画学科を出た。両方とも職業は別だ。奥さんは妊娠している。できちゃった結婚である。
 夫のカナオは軽く生きている。ところが靴修理の非正規労働をやめて法廷画家となる。
 それで夫婦の流れとともに、大事件の被告と被害者の姿で、東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件、地下鉄サリン事件などの社会の劇的な裂け目の変遷が描かれる。

 翔子さんは、小出版社に勤めているがうまくいかない。若者のいい加減さが許せないが開き直られて注意すらできない。
 1年たって位牌がある。出産したが子は幼くして亡くなったのだ。ここらあたりから翔子さんが不安定になる。再度妊娠しても夫に黙って中絶する。倒れて心療内科に通院する。
 書店での本のサイン会の途中で、子供を見て逃げ出し、本(画集ではないか)を開いて顔を隠し入れ泣き崩れる。そして出版社も辞める。

 そしてある暴風雨の夜に夫が帰ると、真っ暗な部屋で吹き込む雨にびしょぬれになりながら翔子さんは佇む。ただただ泣いて夫に「私子供ダメにした」「ちゃんとできない」とはげしく泣く。ただ泣きつづける。「なぜ私といるの」
 「横にいてもあなたがわからない」
夫のカナオに慰められる。「好きだから一緒にいたいと思ってるよ」。

 翔子さんは医者の紹介で尼寺にお茶会に通う。やがて庵主さんから天井画を依頼される。無名だと戸惑う翔子さんに、死を見つめたことのある人しか描けない絵があるから、と。
 1枚いちまい書いていく多くの画業の中で翔子さんは癒されていく。
 子供を亡くし大きく傷ついたこの夫婦二人が少しずつ再生していく。
 
 翔子さんは頭の中で計画を立ててすべて100%うまくやろうとして、大きなことの前にただ頭の中で空回りして爆発してしまったのだ。どう間合いと余裕を取ってどこまでやるか決めて取りかかり何かできて残さないと、100%は誰もできない。そして子どもが亡くなるという大きなことは誰もどうにもできない。人生はいい加減さとマジメの割合がとても大事で、時によりうまく変えていかねばならない。どちらも一方に偏ってはダメだが。 

 天井画の実際の画家は、山中桃子さんで、立松和平の長女だがとても命にあふれた植物画でいい。
 それから裁判の証人で出た新屋英子はこの名女優が売春組織の女主ではもったいない。
公式サイト
http://www.gururinokoto.jp/

(予告編)
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【2009/03/22 23:55】 | 映画
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